R33型スカイラインGT-Rよりも安価なプライスで販売された
1990年代のワゴンブームに乗っかり、登場したのが1996年に登場したのが日産「ステージア」です。サイズ感や走行性能が高く、人気のモデルとなったステージアは、1997年にワゴン版GT-Rとも言われた日産「ステージア オーテックバージョン 260RS」をリリースしました。
専用チューニングが与えられていたステージア 260RS
日産を代表するエンジンは数多く存在するが、なかでもひと際特別なものとして日本のみならず海外からも熱視線を集めているのが、RB26DETT型エンジンではないだろうか。日産の直列6気筒エンジンであるRB型エンジンの中でも、RB26DETT型はグループAで勝つことを至上命題として第2世代「スカイラインGT-R」に搭載されたものだ。
一見中途半場に見える2568ccという排気量も、レースのレギュレーションに合わせてはじき出されたものとなっており、日本の税制上では3Lクラスと同等の自動車税になってしまって販売面で不利となるにもかかわらず、勝ちにこだわった姿勢というのもまたファンにはたまらないエピソードと言えるだろう。
そんなRB26DETT型エンジンは、前述の通りレースで勝つために生み出されたものであるため、基本的には第2世代のスカイラインGT-Rにのみ搭載されていた(エンジン換装のチューニングカーなどは除く)。しかし、唯一例外的にこのエンジンが搭載されたモデルが存在する。それがオーテックジャパン(当時)の手がけた「ステージア オーテックバージョン 260RS」である。
1996年10月に登場した「ステージア」は、「スカイライン/ローレル」系のシャシーを用いたステーションワゴンであり、直列6気筒のRB型エンジンを搭載していた。そのトップグレードの「25t RS FOUR V」は、RB25DET型の2.5LターボエンジンとFRベースの4WDシステムを持つスポーティワゴンとなっていたが、それをベースにさらなる性能を求めたのが「260RS」ということになる。
しかし、このモデルはステージアにポンとRB26DETT型エンジンを搭載したというお気楽モデルではなく、トランスミッションや電動SUPER HICAS、電子制御トルクスプリット4WD、ブレンボ製ブレーキ、17インチタイヤなど機能面にまつわる部分はGT-Rと遜色のない構成となっている。
ただステーションワゴンボディということもあってボディには大パワーに対応できるように各種補強が施され、足まわりもステージアの特性に合わせた専用チューニングが与えられている点などは、さすがファクトリーチューニングモデルといったところだろう。
しかもこれだけ手が加えられているにもかかわらず、登場時の新車価格は440万円と当時のR33型スカイラインGT-Rよりも安価なプライスタグがつけられていたというのも驚きだ。
現在は大変高額となったスカイラインGT-Rの中古車だが、ステージア260RSについてはまだそこまで高額というわけではないので、RB26DETT型エンジンに憧れているのであれば、こちらを選ぶという選択肢もアリではないだろうか。