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メーターとヘッドアップディスプレイが1つになった!?「スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ」の利点と今後の課題とは

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

  • スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ:ディスプレイ背面のハーネスがシンプルなことがわかる
  • スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ:60ppiのミニLEDを使用している
  • スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ:ディスプレイ全体のイメージ
  • スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ:200ppiのTFT画面

メーターとヘッドアップディスプレイを統合した機能を持つ

2024年5月22日〜24日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」には国内外自動車メーカーやサプライヤー、開発支援ツールなどのメーカー、自動車関連スタートアップ企業など90社(1378小間)が出展しました。そんな中から、目利きのベテラン自動車評論家の中村孝仁さんが注目した最新技術とは。

ウインドウ下に多くの情報が表示可能となっている

近年自動車のインストルメントパネルは液晶ディスプレイやLEDディスプレイに支配され、既存のアナログメーターはどんどん駆逐されつつある。ディスプレイが重用される大きな理由は、情報表示量の多さや視認性の高さなどが挙げられるだろう。

また近年ではフロントウインドウに直接情報を投影するヘッドアップディスプレイなども数多く採用されるようになっている。しかし、ヘッドアップディスプレイについてはそこに表示してよい情報を規制する保安基準が適用されて、継続生産車でも2024年9月1日から規制がかかる。

今回フォルヴィア(FORVIA)グループが公表した「スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ」は、従来のメーターとヘッドアップディスプレイを統合した機能を持った新たなディスプレイである。上下方向の幅はせいぜい10cm程度。フロントウインドウ下全面に展開され、前方を注視しなくてはならないドライバーの視線移動量を減らし、安全なドライブに貢献するものとされている。ウインドウ下に表示されるため、ヘッドアップディスプレイのように規制を受けることがない。

ディスプレイは複数のパートに分かれ、情報をきちんと伝える必要がある従来のメーターの部分は200ppiのTFTディスプレイが使われ、インフォテインメント情報に関しては60ppiのミニLEDディスプレイを使用。そして環境照明や障害物の警報には12ppiのLEDライトタイルディスプレイを使用している。もちろんそれによってコストの引き下げが実現できる。

現物を目の当たりにするとディスプレイの広がり感が印象的で、多くの情報が表示可能となっている。さらに単一のビデオインターフェイスで駆動されることから接続ハーネスがシンプルになるといったメリットがあり、部品代の削減や組み立てコストの低減などに寄与するという。

ただ、現状クルマのダッシュボード背面はエアコンのダクトやハーネスなど隙間なく張り巡らせているので、そうしたインパネそのものの設計を根本から見直す必要がありそうだ。それに横方向の広がり感は実感できるものの、ナビの表示には不向きではないかと感じた。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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