ド派手な改造車が多数登場
本作の舞台は荒廃し、物資も枯渇した世界なので、昨今の大作アクション映画のように大手自動車会社とタイアップして、最新車が登場するようなことはない。その代わりこれまでのシリーズ同様、ド派手な改造車が多数登場する。資料によると登場車両の数は145台。うち35台がクルマ、110台がオートバイとのことだ。
中でも目を引くのがフュリオサと行動を共にすることになる警護隊長・ジャックが運転する巨大物資運搬トラック。ベースがケンワース「900」シリーズのヘビーデューティトラックの改造車だ。一見してケンワースのあのトラック、という判別はつかないかもしれないが、そこは『マッドマックス』独特の世界観。
そもそもが新車などない世界なのだから、必然的に遺された車やバイクから使える部品を取り外し、使い回し、元のカタチが想像できない改造車を乗り回している。かつて昭和の時代には東南アジア方面に盗難車両を密輸するために、ナンバープレートや他の車の部品を組み合わせて(極端な例では2台を1台に切り合わせたものもあったとか)新たにクルマを作るという荒業が存在していた。
それを“ニコイチ車両”と呼んでいたが、『マッドマックス』の世界ではニコイチどころか、サンコイチ、ヨンコイチが当たり前。そのつなぎ合わされたド派手な車両群が荒廃した荒野を走り回るのだから、その世界観はさらに広がろうというものだ。
IMAXで大迫力のアクションを体感せよ!
今回、フュリオサを演じているのは2015年公開のホラー映画『ウィッチ』で注目を集めたアニャ・テイラー=ジョイ。彼女の魅力はその瞳の力強さ。マッドな世界で自身の信念=執念を揺るがせることなく戦い続ける女性の姿を見事に体言してくれる。前作でフュリオサを演じたシャーリーズ・セロンとはまた違った魅力(どこか野性的な)を明示する彼女の姿をぜひ劇場で確認してほしい。
今回、通常公開版のほかにIMAX版、4DX版、日本語吹き替え版が公開される。なかでも巨大スクリーンで最先端映像体験が出来るIMAX版をオススメしたい。目の前に圧倒的に広がる荒涼とした大地。そこを爆音で駆け抜ける改造車群、生身の肉体を駆使したアクション。
それら全てをまさに目の前で繰り広げられるかのように体感出来るIMAX映像は、まさに本作品のためにある、といってもいい。しかしながら劇場での鑑賞料金は通常料金よりもプラスされる。それを差し引いても、IMAXを体感すると通常劇場版に戻れなくなるくらいの感動がある。ぜひ劇場で『マッドマックス:フュリオサ』の世界観を体感していただきたい。