111年前のT型フォードなど2日間で延べ230台以上のヴィンテージカーが参加
テレビ和歌山開局50周年記念感謝祭イベントのひとつとして、「クラシック・カー・フェス2024 in 和歌山マリーナシティ」が2024年4月27〜28日に開催されました。初日はあいにくの天候ながら80台ほどのクラシックカーが集結、2日目は天候に恵まれたおかげもあり、関西近郊から1985年までに生産された国内外のクラシックカーや珠玉の名車が150台以上集結しました。古くは111年前に生産された1913年製T型フォードのツーリングや1926年製のアルヴィスなどもあり、期間限定の自動車博物館のような光景が広がりました。
鬼才マルチェロ・ガンディーニを偲んだ展示車両が多数参加
今回の「クラシック・カー・フェス」の会場となったのは、和歌山県和歌浦に造成された人工島である「和歌山マリーナシティ」。その名の通りヨットやプレジャーボートを停泊させるハーバー、ヨーロッパを彷彿させるテーマパークであるポルトヨーロッパという施設(アトラクションや子ども向けイベントなどを開催)や、黒潮市場という海産物の食堂と市場が合体された観光市場、眼前に海が広がる絶景シチュエーションの紀州黒潮温泉という温泉施設、さらにリゾート感が満喫できる和歌山マリーナシティホテルなどが一体となった、複合リゾートアイランド内の駐車場で開催された。
イベント参加車の白眉は、なんと言っても2024年3月13日に85歳でこの世を去った世界のカーデザイン界を牽引したレジェンド、マルチェロ・ガンディーニ氏をフィーチャーした展示車たちが多く集ったことだ。故ガンディーニ氏の代表的な作品と言われているランボルギーニ「ミウラ」、「カウンタック」、ランチア「ストラトス」、アルファ ロメオ「モントリオール」、フィアット「850スパイダー」、「X1/9」など、デザインの主張が強く訴えかけてくる作品が展示されていた。
会場でひと際目立っていたのが、往年のGC(通称グラチャン)カー(純レーシングカー)である「紫電77」のレプリカマシンだ。1978年の富士GCレース中に燃えてしまい、悲運の終わりを遂げた紫電77をレプリカとして現在に見事蘇らせたのは、そのカウルの生みの親であった由良拓也氏率いるムーンクラフトだ。
奇跡的に残っていた当時の型からカウルを再製作し、シャシーは鈴鹿サーキット近くにあるレーシングコンストラクターであるウエストレーシングカーズ製のVIVACE-7(ヴィヴァーチェ・セブン)を流用しながら、カウルに合わせる形でフレームなどを作り変えられているマシンである。
また会場ではイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、日本など生産国別に展示車両のエリアがほぼ分けられているといったように、分かりやすい環境が創出されており、主催者側の粋な気遣いを感じることができた。もちろん展示車両を持ち込んだオーナーの方々もサービス精神旺盛で、会場に足を運んでくれた人たちに丁寧に自分のクルマの説明をする場面をあちこちで見ることができ、クルマとの距離が非常に近いアットホームなイベント会場の雰囲気となっていた。