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ホンダ「ライフ」は酒1本と交換で入手! 35年所有するAT車のメンテはなぜ自分で行うようになった?「長距離自走してイベントを楽しんでいます」

ホンダ ライフ:丸目2灯とサイズ感が可愛らしい

ATが珍しい時代から所有し続けて35年

現在の日本国内でのAT車の普及率は、98%にのぼるといわれています。しかしその昔は圧倒的にMT車の方が多く、AT車はとても珍しい時代がありました。1973年式のホンダ「ライフ」を所有する岩本聡明さんの愛車は、現存個体も珍しいと言われるAT車。数えきれないほどのトラブル発生に見舞われても、35年間所有し続けるライフとのエピソードを伺いました。

イベントは愛車での自走参加にこだわる

岩本聡明さんとの出会いは、2023年11月5日に愛媛県四国中央市で開催された「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」だった。お手製のナンバープレートに書いてあった「Automatic」の文字に興味がそそられ声をかけたところ、茨城県から自走参加されていることが判明。1973年式のホンダ「ライフ」を格安中古車として迎え入れたのが1988年。それから35年にわたり酸いも甘いもすべてを経験した結果、クルマに関しては素人だった岩本さんが、基本的な修理や整備は自分でこなすようになったそうだ。

「この前にも1973年式のライフに乗っていたのですが、自損事故で廃車にしてしまったのです。その次に乗りたいクルマを探していたときに見つけたのが、このAT車でした。当時は旧車ではなく、ただのボロボロの中古車でしたから。かかった費用はお酒1本との物々交換のみでした」

岩本さんのイベント参加スタイルは、基本的にどこまでも自走すること。以前は、遠方という理由でクルマは置いてご自分だけで参加したこともあったそうだが、愛車がないと面白くないことを痛感。積載車搬入だと、借りた車両の返却時間などの制約に縛られるのがイヤ。そこで出た結論が、自走参加だった。この時も、埼玉や神奈川在住のご友人とともに来場されていたが、みんな自走組のため、大阪の吹田SAを集合場所に設定。そこからみんなで走ってきた。

過去には首都高で1速走行の経験も

今では旧車と呼ばれるが、35年前の当時は普通の格安中古車でしかなかった。そのため、さまざまなトラブルも経験済み。

「思い出深いトラブルは、ミッショントラブルで1速しか使えなくなったことですね。しかも、場所は首都高の青山トンネルで。フェイルセーフ(なんらかの障害が発生した場合に、安全側に動作するように設定されたシステム)のために、ギアのひとつが樹脂製で、それが削られて変速しなくなってしまったのです」

このときは京都からの帰り道で、茨城まであと一息というまさかの場所でトラブル発生。なんとか最初の出口まで辿り着き、すぐに一般道へ。そして、コインパーキングを見つけて駐車。そのまま電車に乗って茨城の自宅へと戻り、交換部品を手にして再び電車に乗って、都内で待ちわびる愛車の元へ。そして、そのコインパーキングで交換修理を行ったそうだ。

エンジンのオーバーホールも、当初は必要に迫られて自分で手がけていたが、今ではそれが楽しいと思えるほどになったと話してくれた岩本さん。長距離自走をこなすためのさまざまなカスタムも手がけており、今ではSPI=Special Parts Iwamotoという屋号で、ライフ仲間の修理なども手伝うほどの腕前を習得してしまったのだ。

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