商用貨物車のバンという希少なフェローMAX
ダイハツは戦後復興期に「ミゼット」を生産販売し、当時の東洋工業(現・マツダ)とともに日本経済を支えていた存在でした。その後、貨物用ではなく軽乗用車として市場参入した最初のクルマが「フェロー」でした。「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」に参加した2代目「フェローMAX」のオーナー別枝 繁さんは、大の旧車好き。旧車とこのイベントの魅力を教えてもらいました。
所有する旧車は計4台
2023年11月5日に愛媛県四国中央市で開催された「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」に参加した別枝 繁さんの愛車は、美しいボディコンディションが印象的な1972年式のダイハツ「フェローMAX」(L38V型)。
昔から古いクルマが大好きで、いろいろと乗り継いだ経験あり。その結果、現在はほかにもいすゞ「117クーペ」(PA95型)、日産「シルビア」(初代CSP311型)、マツダ「キャロル」(初代KPDA型)の4台を所有している。
「もともとは初代シルビアが大好きで、15年ほど前に手に入れました。他にもいろいろと乗り継いで手に入れたり、手放したりを繰り返して、今はこの4台が手元に残っています」
今回参加したフェローMAXは、約2年半前に知人から入手。コロナで外出する機会が減ってしまい、乗らないか? と相談を受けたことがきっかけだった。
「その方は8年ぐらい所有していたけど、車検は1度しか通していないのは知っていました。ちょうど私もこのU-550旧軽自動車ミーティングに参加したいので、古い軽自動車が欲しいと考えていたこともあり、タイミングがよかったのです」
購入してすぐクラッチトラブル発生
別枝さんのフェローMAXは、とても綺麗なボディ状態をしているように見えた。本人から見るといろいろと傷があるとのことだったが、その箇所をよく確認しないと気付かないレベル。ボディはノンレストアらしく、それでこの状態はお見事だ。
「手に入れてすぐにクラッチトラブルがありましたよ。引き上げに行った時は自走できたのに、その後すぐにクラッチが繋がらなくなり、その修理に2~3カ月かかったり。それと、車検を受けに行ったらその場でウォッシャー液が出なくなったこともあります。このクルマは空気で送り出すシステムなので、途中でエアが漏れるようになってしまったのです。結局は電動ポンプ式に交換しました」
古いクルマに乗る以上、トラブルはつきもの。パーツ探しも難航するのは当然で、ネットオークションなどを中心に各車のパーツをくまなく探すが、それも現在は厳しくなっているそう。
「ありがたいのは、しっかりとメンテナンスしてくれる知人がいることですね。その方が面倒を見てくれるから、とても助かっているのは間違いないです」
U-550旧軽自動車ミーティングの魅力とは
では、別枝さんにこのイベントの魅力について伺ってみた。
「こういう地域に、これだけたくさんの当時の軽自動車が集まるって凄いことだと思うんです。今回私が気になったのは、ホンダ車ですね。ライフピックアップなんて生産台数が少ないのに、今日だけで7台も参加しているでしょ。他にはホンダZも空冷と水冷が並んでいたり。高知県や愛媛県って旧車を大切に乗るユーザーが多い地域なのは間違いないですが、こういう希少車がたくさん集まれるのは、とても楽しいですね」
なお、別枝さんはお住まいの地域からこの会場まで、約2時間ほどかけて自走で参加。下道をゆっくり、というよりも、どちらかといえば頑張って走ってきたそうだ。
「貨物車なので、ミッションはローギア設定ですから。一生懸命走ってきましたよ(笑)」
今回で2回目の参加だったが、このイベントには頑張って自走参加する大きな意義があるということを別枝さんの笑顔が物語っていた。