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昭和生まれの「バモスホンダ」を当時ナンバーで引き継ぐ奇跡。生粋のバイク好きが選んだ趣味グルマは家族も大満足でした

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)

  • バモスホンダ:幌の状態も良好で、ボディ以外もしっかりとレストアされている証拠
  • バモスホンダ:荷台がある軽トラックだが、テールライトやアオリの形状など、各部から可愛らしさがあふれたデザインが特徴
  • バモスホンダ:乗車定員が2名と4名の2車種が設定されており、岡林さんの愛車は4名乗車仕様の通称「バモス4」となる
  • バモスホンダ:アウトドアが趣味のため、ボックス内には必要なグッズなどを収納
  • バモスホンダ:ホイールも美しくリペイントされている。展示用にサイドウォールを綺麗にしており、愛車をいかに大切にしているかが理解できるポイントだった
  • バモスホンダ:ステアリングも補修済み。赤いステッチが可愛らしい
  • バモスホンダ:必要最小限の装備しかないダッシュボードまわり。この無骨さもバイク好きの血が騒ぐポイントなのだろう
  • バモスホンダ:シートにはカモフラ柄のカバーを装着。バモスホンダのアウトドアなイメージがさらに強調されていた
  • バモスホンダ:各部には、いろいろな動物のミニフィギュアが飾られていた
  • 1972年式のバモスホンダとオーナーの岡林秀実さん(中央)、奥さまのみすずさん(左)。お孫さんの知子さん(右)、愛犬のかも太郎君とむむ太郎君
  • バモスホンダ:荷台があるピックアップタイプのオープンカーは、国内メーカーとしてはかなり珍しいデザイン
  • バモスホンダ:1970年から1973年の4年間のみ製造された。歴代ホンダ車の中で、唯一社名が後ろについている

開放感抜群のオープンタイプ軽トラを楽しむ

1970年代にわずかに盛り上がりを見せたレジャーカーブーム。実用性よりも遊び心を優先したユニークな車体が市販化され、「バモスホンダ」も、そんなジャンルの中の1台として登場しました。しかし、その割り切りの良さがアダとなり、4年間で約2500台しか生産されずその役目を終えたのでした。今回は、そんなレアなバモスホンダを愛するオーナーと愛車を紹介します。

アウトドアをイメージするバイクっぽさが魅力

2023年11月5日に愛媛県四国中央市で開催された「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」の会場で出会った岡林秀実さんの愛車、1972年式「バモスホンダ」は、とても綺麗にレストアされているのが印象的だった。ご本人にお尋ねしてみると、購入時点ですでにこの状態までレストアされていたそうで、お店に確認に行った際に即決したのだそうだ。

「もともとはバイクが大好きで、今でもメグロのS2、ハーレーダビッドソンの1982年式のFXワイドグライドに乗っているんです。でも、さすがに70歳を超えてくると、ハーレーはとても重たくて。しかも、家内も後ろに乗るのはもうしんどいと言うようになってね。それで、何か楽しそうなクルマはないものかと探した結果、これに辿りついたのです」

基本的にバイク好きということで、岡林さんは趣味的なクルマを所有した経験は今までなかったそう。転倒しないという意味ではトライクやサイドカーといった、バイクをベースにした3輪車という選択肢もあったのでは?

「それもちょっと考えてみたけど、長い間2輪車、バイクに乗っとったもんだから、バイクをベースにした3輪車というのは自分が求めるものとはなんか違うなと。それやったら、古いクルマの方がええかなと」

これが岡林さんとバモスホンダが出会う、大きな理由のひとつだったのだ。

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