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アバルト「695」が740万円! 理由は「トリブート フェラーリ」だったからでした…購入するならまずは日本の中古市場から探しましょう

アバルト「695」が740万円! 理由は「トリブート フェラーリ」だったからでした…購入するならまずは日本の中古市場から探しましょう

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

695トリブート フェラーリを探すなら、日本国内がお得……?

このほどRMサザビーズ「MONACO 2024」オークションに出品されたアバルト695トリブート フェラーリは、もともと2010年9月16日にラインオフしたとされる個体。

世界限定で1696台が生産されるとアナウンスされたトリブート フェラーリでは、当時のフェラーリのカタログカラーの中から「ロッソ・コルサ(レッド)」、「ジアッロ・モデナ(イエロー)」、「グリッジョ・チタニオ(グレー・メタリック)」、そして「ブル・アブダビ(ダークブルー・メタリック)」からなる4色が用意されたとのことだが、この個体は全世界で1199台が製作された、イメージカラーでもあるロッソ・コルサ。「190」のシリアルナンバーが付けられている。

シルバーグレーのスクーデリア・ストライプが入った、壮麗なロッソ・コルサ仕立てのこの小さな「路上のロケット」は、2021年3月に現オーナーの「スクーデリア(厩舎)」に収められるまでは、モナコで登録されていたという。たしかにモンテ・カルロ旧市街や、「鷲の巣村」と呼ばれる周辺の街々は道路が非常に狭いせいか、近年のモナコではおびただしい台数のアバルトを見かけるのだが、この個体もそのうちの1台だったのだろう。

オークション公式ウェブカタログの作成時点での走行距離は、ヨーロッパの常識では「わずか」と表現される3万2596km。しかもこよなく大切に扱われていたのか、現状のコンディションもきわめて美しいとのことである。

また、フェラーリのロゴが入った衛星ナビユニット(日本仕様には非設定)、ハンドブックに純正ディテーリングキットなども付属しており、どんなコレクションにも、あるいは素晴らしいデイリードライバー向けのクルマとしても好適。そんな謳い文句を添えて、RMサザビーズ欧州本社は3万ユーロ~5万ユーロのエスティメート(推定落札価格)を設定するとともに、最低落札価格を設けない「Offered Without Reserve」とした。

そして迎えた競売では、エスティメート上限に近い4万3700ユーロまでビッド(入札)が伸び、現在の為替レートで日本円に換算すると約740万円というけっこうな価格で、競売人の掌中のハンマーが鳴らされることになったのだ。

しかし、万が一この記事をご覧になって「695トリブート フェラーリが欲しい!」と思われた読者諸兄がいらっしゃるならば、まずは日本国内のユーズドカー市場をチェックすべし、とお薦めしたい。

日本国内市場における695トリブート フェラーリは、2010年11月から150台が正規導入され、ロッソ・コルサが110台、ジアッロ・モデナが30台、ブル・アブダビとグリージョ・チタニオはそれぞれ5台とされた。また日本での販売価格は、アバルト「500」と「695」にちなんだ569万5000円(消費税込)とされていた。

くわえて、2012年には日本市場限定モデルとして、「ビアンコ・フジ(パールホワイト)」にペイントされた「アバルト695トリブート フェラーリ“トリブート アル ジャポーネ”」が50台のみ追加生産。車両本体価格の一部を東日本大震災の復旧支援に充てるということで、609万5000円(消費税込)で販売されたという。

つまり日本の国内マーケットには、今なおかなりの台数の695トリブート フェラーリが流通しているうえに、その販売価格帯も300万円台から充分狙える範囲内にあるのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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