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なつかしのトヨタ「スポーツ800」に20歳女子レーサーが乗ってみた!「この軽快な乗り味は攻めたくなっちゃいます!」【令和女子旧車に乗る】

5月で20歳になったばかりの佐々木藍咲選手が1965年式トヨタ スポーツ800に試乗

19歳あらため20歳になった佐々木藍咲選手が旧車に試乗

旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらって若者目線の素直なインプレをお届けする企画。今回は長野県佐久穂町の「エンドレス130コレクション」の協力のもと、「ヨタハチ」の名で親しまれるトヨタ「スポーツ800」に乗ってみました。

エンドレスがレストア&モディファイした「ヨタハチ」

佐々木藍咲さんは、富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした、2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。先日めでたく20歳の誕生日を迎えたばかりだ。旧車イベントに参加したことをSNSに投稿するほど、根っからの旧車好き。レースウィーク中も、サーキットで旧車を見つけるとテンションが上がり、目を輝かせているのが印象的だ。

レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。今シーズンは昨シーズンに引き続きKYOJO CUPにエントリー。誕生日直後の5月12日に行われた開幕戦では、自己最高位となる5位でチェッカーを受けた。また、今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦する。

そんな旧車好きの佐々木さんに、今回は「エンドレス130コレクション」の展示車両であるトヨタ「スポーツ800」を試乗してもらった。エンドレス130コレクションは、ブレーキやサスペンションで有名なパーツメーカー「エンドレス(ENDLESS)」が2021年3月にオープンした施設。味にこだわったカフェと展示車両が集められたミュージアム、そしてレース車両のメンテナンスなどを行っているレーシングガレージが併設されている。この施設の開設はエンドレスの創業者であり会長であった故・花里 功氏の長年の夢だった。

ドアを開けるとビックリ! ルームミラーはどこ?

このトヨタ スポーツ800は1965年式で、2016年の東京オートサロンに出展するべく仕上げられた車両。当初はサビだらけパテだらけだった状態から、約半年かけてのフルレストアと、エンドレス流のモディファイが施された。

「コロンとした形がとってもカワイイ!」

それが実車のスポーツ800を見た佐々木さんの第一声だった。

「全体的に丸っとしたシルエットと、ライト類をはじめとしたフロントフェイスのデザインがとっても合っている感じで好きです。リアのデザインもボディラインに合わせてまとまっている感じが良いですね!」

また、130コレクション仕様ならではのポイントも気に入ったようだ。

「PIAA製のフォグランプが追加されているのですが、なんだかレーシングカー的な雰囲気を演出していて私は好きです」

そして運転席に乗り込もうとして、ドアを開けると佐々木さんは驚いていた。

「えっ! ドアがすごく薄くて軽くてビックリです! 車重も結構軽いんだろうなぁ。ルームミラーは……えっ! 上じゃなくてダッシュボードについているんですか! なんだか面白いです! あと、内装からフレームが出ているのがレーシーな感じがして好きですね」

ステアリングの重さは過去イチかも? でも切り込むと楽しい!

実際にトヨタ スポーツ800の試乗をはじめて、最初に印象深く感じたポイントは軽さだったようだ。

「動きが軽いのがすごく伝わってきます。これまで試乗した旧車の中でも一番軽快感があるかもしれません。あと、正直エンジンのトルクは細いかなと思うのですが、車重が軽いのとギア比がクロスしているからか、トルクフルな感じがしなくとも、しっかりと前に進んでくれます」

そしてフットワーク性能ではエンドレスチューニングをしっかりと実感することができた様子であった。

「サスペンションが変わっているからか、段差を乗り越えてもシャキッと感があって、しっかりと受け止めてくれている様子ですね。軽いFRだからバランスが良いのもあると思いますが、フロントとリアが同じような感覚で動くのでセッティングもしっかりと決まっているんだと思います。あとやっぱりブレーキはイイです! しっかり止まるのはもちろんですが、奥でブレーキからのフィーリングが分かりやすくてコントロールしやすいですね」

ちなみにこのトヨタ スポーツ800には、エンドレス ファンクションXプラスベースのワンオフサスペンションがフロントに取り付けられており、ブレーキはノーマルで4輪ドラムのところ、フロントをディスクブレーキ化して公認をとっている(リアはシューを交換)。

スーパー耐久クラシックで、富士スピードウェイのレーシングコースも走行しているので、その性能は実証済みといえる。そのほかのチューニングポイントとしてはアルトラック製のマフラーやエキゾーストマニホールド、レイヨット製のミラーなどだ。

終始その軽快さに満足していた佐々木さんだが、ちょっと戸惑った部分もあるそうだ。

「初期はステアリングの反応に遊びがある感じですが、パワステがないので過去で一番ステアリングが重たくてビックリしました。やっぱりSタイヤを履いていてでグリップが高い分、ステアリングも重たくなっているんですね。でも、ステアリングを切り込んでいくとしっかりインフォメーションがあるのは好きなポイントです。このステアリングからのフィーリングと軽快な乗り味は攻めたくなっちゃいます!」

佐々木藍咲選手のトヨタ スポーツ800 〇と×

好きなポイントは?

「ボディラインとマッチした顔! あとは軽快感のある走り!」

マイナスポイントはある?

「初期のステアリングの反応に遊びがある感触が少し慣れないです」

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