ATTO 3とドルフィンの実車でレクチャー
続いて同校の3号館に場所を移動し、実車を使っての講義となった。今回この学校に持ち込まれたのはBYDのSUVモデルである「ATTO 3(アットスリー)」と「ドルフィン」の2台。教室内にはすでにボンネットを開け整備保護カバーがかけられた2台が学生たちを待ち受けている。実際にATTO 3にBYDの診断機を接続し、EVの故障診断の例を挙げながら、EVのさらなる解説が行われた。
その後にはこの2台のEVの見学の時間も設けられ、学生たちはこの最新EVの先進性を感じ取っていた。今後到来するであろう、EVがありふれた存在として身近にある社会での、新たなサービス業務の在り方などについて学ぶ機会ともなったようだ。
エンジン車とともに新たにHV、PHV、そしてBEVといった車両が次々と登場し、さらに各車両にセンサーやカメラなどのADAS(先進運転支援システム)が搭載されていくなど、急速に変革していく自動車業界。それを下支えする整備士に求められるものはさらに広く深くなっていく。彼らが今後ユーザーの強い味方になってくれることを期待したい。
AMWノミカタ
1980年代に日本では初めて欧州自動車メーカーとして現地法人を日本に設立したBMWは、いちはやくBMWグループの技術者養成に特化した専門コースを開校して間もないNATSに1991年に設置している。ちょうど、日本全国にBMWの正規ディーラー網が構築されていったのと時を同じくしている。日本での販売台数を増やすには、ディーラーを増やすことはもちろん、クルマを整備するメカニックを確保することも重要である。しかも、80年代90年代と違い、現在はメカニックが不足していることに加えてメカニックを目指す若者も減少している。BYDの今回の取組みは、自社のメカニック確保もさることながら、日本の自動車業界を盛り上げることにも一役買っているように思う。また、BYDの日本市場参入へかける本気度の現れでもある。