TOYO TIRESにゆかりのあるレーシングドライバーが参加
当日招かれたゲストドライバーは、プロクセス・ブランドアンバサダーの木下隆之選手、元F1ドライバーの中野信治選手、JGTC(全日本GT選手権)のGT300クラスでシリーズチャンピオン経験のある井入宏之選手、SUPER GTのGT300クラスを戦う塩津祐介選手の4人。さらに、ファンミーティングには「チーム・トーヨータイヤ・ドリフト」から川畑真人選手/松山北斗選手/横井昌志選手/田野結希選手が参加するという豪華な顔ぶれが揃った。
走行時の注意点やアドバイスはもちろん、800psを超えるR35GT-Rを筆頭とした複数台のチューニングカーによる同乗走行も担当。プロのドライビングを間近で見られる機会は貴重であり、スキルアップに繋がるまたとないチャンス。また、限界の領域でプロクセスの実力の片鱗に触れられたことだろう。
メインの走行会には約70台がエントリー。第1回はプレイベント的な意味合いもあり、目を三角にしてタイムを狙うのではなく、ゆとりを持たせた走行枠としていたのに対して、今回はしっかりクラス分けがなされていた。
特筆すべきは新たに設定されたスタートアップクラスである。サーキットが初めてというオーナーのみが参加できるカテゴリーで、なんと追い抜きが禁止。これは走行時の不安を減らす新たな試みで、ハードルを低くすることでより走ることを純粋に楽しんでもらいたいというTOYO TIRESの思いから誕生した。単なるサーキットイベントではなく、走ることを好きになってもらうのが開催する理由のひとつなのだ。
今年の秋もしくは冬に第3回の開催を検討中、継続が力になる
「スポーツタイヤは性能。これは基本ですが、自分の思うがまま操れることも重要だと思います。ただ、スポーツという定義はタイムアタックと耐久レースでは求めるものが異なりますし、そのバランスを取るのは難しい。そうした中で、『スポーツタイヤとしてのトーヨーらしさとは何なのか?』をレース参戦、こうしたイベントなどさまざまな活動を通じて多くの人に伝え、確かなものにしていくことが大事。ステップ、ステップ、ステップでクロスカントリーやトランパスのように本当の自動車好きから支持される柱として育てていくのが、目指すべきゴールだと考えています」
とTOYO TIRESグローバルマーケティング部の吉川誠部長。
そのためにこうしたユーザー参加型のサーキット走行会についても年に1回ではなく、春夏と秋冬に2回の開催を検討中。草の根運動ではないが、何事も継続することが、思い描いた未来への近道なのだ。閉会式で井入選手は、
「ご自宅へ安全に帰るまでが走行会なので、くれぐれも安全運転を心がけて、ご自宅までお帰りください」
と話していた。この言葉こそが、このイベントを表しているように思う。サーキットを速く走ることもスポーツタイヤの役目だが、安全に走るということも大切なことなのだ。とても充実したTOYO TIRESのイベントであった。今シーズンはチューニングカーのタイムアタックイベントへタイヤを供給する新たな試みも企画されており、今以上にプロクセスの名前がメディアに露出される機会が増えるはず。今後の展開に期待したい。