E-Rayが目指したのは「トップオブGT」
コルベット8世代目となるC8の開発に際しては、さまざまなバリエーションを踏まえて設計が行われたという。標準車はもちろん、GT3規定のレースマシンを前提としたハイパフォーマンスモデルZ06、そしてこのE-Rayまでも当初から念頭に置いてC8の開発がスタートした。E-Rayが目指したのは「トップオブGT」、グランドツアラーとしての性能を極めたコルベットだ。
クーペとZ06でも取り外しのできるルーフを持つC8コルベットは、フロアでボディ剛性を稼ぐ方向性で開発が進んだ。そのため大きなセンタートンネルには剛性を稼ぐという狙いがある。そこにE-Rayはハイブリッドシステムを搭載したのだ。
またボディはZ06と同じワイドボディを採用。これにより全幅は2025mmとなっている。Z06と同じワイドボディを採用した理由はブレーキシステムにある。ハイブリッドシステムはコンパクトにできたとはいえ、車重はC8コルベットとしては最も重たい1810kgになってしまった。これに耐えるためにE-Rayではカーボンセラミックブレーキが標準となっている。この大きなブレーキを収めるために専用の太いホイールが組み合わされるのだが、それに合わせてボディもワイド化する必要があったそうだ。
GMジャパン若松社長のサーキットインプレは?
トップオブGTを目指したコルベットE-Rayではあるが、当然サーキットでのパフォーマンスは秀逸。シボレー ファンデイ当日は実際にGMジャパンの若松 格社長もレーシングスーツに身を包んでE-Rayに乗り込み、アクティブ走行を楽しんでいた。走行後にはこのようにコメントしてくれた。
「加速感はまるで離陸するような雰囲気だし、ブレーキもカーボンセラミックと回生ブレーキの組み合わせで想像以上に余裕がある雰囲気でした。eAWDもしなやかに効いてくれて、コーナーの限界が高い印象があって、サーキットも余裕感を持って楽しめるクルマに仕上がってますね。ものすごく楽しいですよ」
また、プロドライバーを交えたE-Rayトークショーでは、当日インストラクターを担当したプロのレーシングドライバーたちからE-Rayに対して「回頭性が良い」というコメントが。全輪駆動になってもハンドリングが楽しめるコルベットに仕上がっているのは間違いないだろう。
コルベットの新章の幕開けと言えるE-Ray。今後日本でどのような評価を受けるのかにも注目していきたい。