厳しい自然のなかで生きる力強さを具現化
近年のアウトドアブームの中で、軽キャンパーのカスタムも急速な進化を遂げています。ダイハツ「アトレー」をベースとした「ノースハンター」は、リフトアップと迫力のバンパー、それに多数のオプションを満載していますが、どの要素もカッコだけではなく、実用性に基づいているといいます。青森のビルダーによるこだわりの内容とは。
ノースハンター サバイバー・エディションの名に込められたテーマ
2024年4月27~28日に夢メッセ宮城で開催された、東北カスタムカーショー2024。アウトドアや車中泊ブームを追い風にSUVの展示も多く見られたが、とくに目を引いたのはグリーンの車体にルーフテントを載せたダイハツS700系「アトレー」だ。
製作したのは青森県から実用性と遊び心を両立するカスタムを発信する「ドキ商会」で、北の大地で力強く生き抜く狩人をモチーフに「ノースハンター」と名付けられている。サブネームに冠した「サバイバー・エディション」が示すとおり、すべてのカスタムとパーツの選択は強靭さや生存性がテーマだという。
例を挙げればビビッドなボディカラー。ハンターは動物と間違われて誤射されるのを防ぐため、目に付きやすい蛍光色のウェアを好む傾向がある。またエッジが効いたオリジナリティあふれるデザインのバンパーは、軽量なFRPを使いつつ強度に配慮しラプターライナー塗装まで施す。
さらに足まわりはオフロード系カスタムの老舗、北海道の4WDサービスパドックと共同開発。テントなどの架装でノーマルより大幅に車重が増えることを想定し、リフトアップによる走破性とロールを抑える走行安定性に加え、ロングドライブでも同乗者がリラックスできる乗り心地を実現した。単に車高を上げるだけの足まわりとは一線を画した性能で、構成パーツは信頼できる日本製にこだわった点も見逃せない。
快適な車中泊に欠かせないベッドキットは、ATV群馬に特注したこだわりの一品だ。収納や展開に手間がかからないのは当然として、適度な厚さと硬さは車内であることを忘れさせる。GIワークス製のルーフテントと併用すれば、4名が窮屈さを感じずに就寝することが可能。