生産開始から50周年を迎えたゴルフ
フォルクスワーゲンは2024年5月31日に「ゴルフGTI」改良新型のさらなる高性能モデル「クラブスポーツ」をニュルブルクリンク24時間レースで発表しました。ゴルフ誕生から50年を迎えるにあたってそのストーリーを振り返り、最高速度267km/hを誇る新モデルの魅力に迫ります。
グリルに伝統の赤いラインが施されたGTIが誕生
VW「ゴルフ」は、世界的にも成功したモデルといって間違いない。成功の要因は必要にして十分なパッケージングで、大衆車という意味をもつVWらしい実用車が1974年に登場したのだ。セダンの大きさは不要だが、十分な室内スペースやパフォーマンスを持ちあわせ、その価格帯からも当時の若い世代に受け入れられた。
それだけに留まらず、世界的にも「ゴルフジェネレーション」というロイヤルユーザーを生み出した。若い頃にゴルフに乗るとオーナーの社会的なステータスや家族構成が変わっても、「ゴルフで十分」といった合理主義者たちを生み出し、賢者のスマートチョイスというポジションを手に入れたのだ。
ライバルたちは膨れ上がる販売層の厚さに焦り、次々と似たようなモデルを登場させ、業界では「ゴルフセグメント」という言葉も生まれた。世界中に大きな市場が生まれライバルも台頭してくるなら、それまでのファミリーカー的なパフォーマンスに飽き足らない層も生まれるもので、フロントグリルに赤いラインが施されたGTIが誕生したのも自然なことだと考えられる。