5代目ゴルフGTIのデトロイトホイールを彷彿とさせるデザイン
そんなゴルフは2024年は登場から数世代を経て50年を迎え、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで「ゴルフGTI クラブスポーツ」が世界初公開された。最高出力300ps、最大トルク400Nmを誇り、特別なスポーツランニングギアを備える。
GTIはスタイルや雰囲気のチューニングに留まった「コスメティックバージョン」と言われた時代もあったが、この時代にGTIを改めてハイパフォーマンスに仕立てることで、ゴルフのイメージを新境地へと導く。いまだに自動車メーカーが走行テストを繰り返すニュルブルクリンクで発表するのもその一環といえる。
エクステリアはLEDヘッドライトが精悍なフロントマスクで、リアの大型ルーフスポイラーがダウンフォースを確保する。19インチのアロイホイールは5つの楕円形の半円が印象的で、5代目ゴルフGTIのデトロイトホイールを彷彿とさせる。オプション設定される新しい19インチ鍛造ホイールは、1本あたりの重量がわずか8kg。インテリアには新しいインフォテインメントシステムを導入し、ChatGPTを取り入れたIDA音声アシスタントも備える。
レースパッケージではリミッターが解除され、最高速度は267キロに
ほかにも注目したいのは、ドライビングダイナミクスに関連するシステムがニュルブルクリンクに合わせてセッティングされることだ。北コース(ノルドシュライフェ)特有の起伏を克服するために、DCCアダプティブシャシーコントロールによって特定のバンプ方向のセットアップがされ、ヨー方向のセットアップも伴ってベストマッチとなる。
0-100km/h加速は5.6秒。最高速度は250km/hに制限されるものの、レースパッケージではリミッターが解除され、267km/hに至る。
ニュルブルクリンクで行われたワールドプレミアでは、テスト・ドライバーのベニー・ロイヒター氏、ヨハン・クリストファーソン選手、ニコ・オットー選手、ハイコ・ハンメル選手をドライバーに擁するマックス・クルーゼ・レーシング・チームによって、24時間クラシックレースにエントリーした。今やゴルフはパフォーマンスカーとしての地位を虎視眈々と狙っているようだ。