愛車の維持に必要なのは、専門職のノウハウと勘
実際に手に入れた3台の中で、登録用の書類が残っていたのがこの個体だった。しかしエンジンは焼き付いていたことから、他2台を部品取りとして活用し、いわゆるサンコイチ車両が完成。
「修理しながら、部品がない部分は他のクルマなどの部品で共用できないかを探したり、状況によっては自分で部品を作って対処しています。当時の部品ではなくても、現在手に入る物で代替できそうな部品があるのか? それとも無いのか? あるのならなんとでも修理できるし、無いのならばどうにかする。その部品の有無を自分で調べることもできるのが、メリットかもしれませんね」
そう笑う大橋さんが手直ししたのは、足まわりからエンジン、ポイントはフルトランジスタ化。プロペラシャフトも現在のユニバーサルジョイントタイプに変更。他に、ハンドルやヘッドライト、ゴム類など、走行に支障がある箇所などを重点的に、自ら部品の一部を製作したり、代替品を探すなどをして修理を敢行。
ただし、もともとは軽トラックのように荷物を積むためのクルマだからという理由で、外装修復には積極的に取り組まず、見た目よりも実際に走らせる方に修理や維持を捧げているのだ。
数々のグッズに関しても、ミゼットのおもちゃを1台ずつ集めてみたところ、結果的に膨大な数のコレクションに。コンパーノ ベルリーナとコンパーノ スパイダーに注いだのと同じ熱量の愛情を、ミゼットに対しても注いでいる大橋さんであった。