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激レア! トヨタ「スプリンタートレノ」発見。19歳から続く「カローラ愛」だけに「特別な時にしか乗りません」

トヨタ スプリンタートレノ:トレノとしては1974年にこのデザインへとフルモデルチェンジ。金子さんの愛車は1975年式のため、いわゆる前期型となる。ヘッドライトカバーも装着

自分以外のオーナーに出会わないレア車

トヨタ「レビン」と「トレノ」は、それぞれ「カローラ」と「スプリンター」のホットモデルとして登場した車両でした。人気の世代は、「ハチロク」と呼ばれる4代目のAE86型か、旧車としてマニア受けする初代のTE27型ばかり。各地のイベントでも、この2車種しか見かけないような状況が当たり前となっていましたが、イベント会場で貴重な2代目のTE47型のトヨタ「スプリンター トレノ」を発見。オーナーの金子明久さんに、愛車にまつわる話を伺いました。

19歳の頃から続くカローラ系への情熱

トヨタ「カローラ」をベースに、当時のラリーで鍛えられた2T-Gエンジンを搭載し速さを磨き上げたモデルとして1972年に登場したのが「カローラレビン」と「スプリンタートレノ」だった。歴代車両で実際に販売が好調だったのは、FRからFFへと変更しバブル景気とともに人気を博した5代目AE91/92型。でも、世界的に有名となったのは、漫画『頭文字D』の登場車「ハチロク」として話題となった4代目AE86型で間違いない。

しかし、金子さんの愛車は、2代目の「スプリンター トレノ(以下:トレノ)」のTE47型。イベント会場に並んでいる姿を拝見し、思わず「珍しい!」と声が出てしまったほど。しかもこの時は、その隣にもう1台同型式車も並んでおり、かなりレアな風景を目撃したことになる。

「19歳の頃にも1979年式のトレノのリフトバックに乗っていました。エンジンは2T-G型のインジェクション仕様で、俳優の近藤正臣さんがテレビCMに登場していたモデルですね。

本当はDOHCのツインカムエンジンに乗りたかったのですが、あの時はすでにモデルチェンジしており、中古でも高額になっていました。そのため、ローンで購入しやすい価格のリフトバックにしたのですが、音とか走りの感じが物足りなかったのです」

金子さんは、18歳の時にもすでにTE25型「カローラ 400SL」の購入歴もあるとのこと。しかも、叔父が47型を所有しており、それに強い憧れを持っていたそうだ。

R31型スカイラインワゴンに乗りつつTE47型を探す日々

TE47型トレノを所有するほどなので、金子さん自身もかなりのクルマ好きであることは想像できる。過去や現在の所有歴を伺うと、じつは日産「スカイライン」の7代目R31型のワゴンが大好きで複数台乗り続け、今でもウッドワゴンを所有しているというマニアであることも発覚。それ以外にも、ホンダ「N360」や修理待機中のトヨタ「セリカ リフトバック」なども所有しているそうだ。

しかし、TE47型トレノに乗りたいという思いはずっと拭い去ることはできず、この個体を13年前に入手したのだった。

「インターネットなどを使って、何年も探し続けました。しかも、ホワイトが欲しいと色指定していたため、なかなか見つかりませんでした。この車両はもともと関東にあり、長崎までやって来たのです」

足まわりや外装類は自分好みにカスタム

入手後はエンジンルーム内を塗装したり、アンダー部分を補修しつつ、足まわりや外装類は自分好みに変更。フロントスポイラーは、所有していたTE27用リアスポイラーを上下逆にして、長さをカットして調整し装着。リアスポイラーは、当時から定番化していたB310型「サニー」用リアスポイラーを流用。他にもダッシュボード上のマットはTE37用、追加メーターなどを装着と各部をモディファイしている。

「このイベントで十数年ぶりに同じTE47乗りに会うことができました。それぐらい現存車両が少ないので、基本は車庫保管でイベントなどの特別な時にしか乗りません。そして走らせるときは、内装は破らないように優しく扱い、外装はぶつけないように最大限気を付ける。それを意識して楽しんでいます!」

希少車を維持する、ということは情熱だけでは済まされない。金子さんの、傷つけない、ぶつけない精神は、全国の旧車乗りの共通意見なのは間違いないだろう。

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