ハイエースの匠が作るサーキット仕様「プロサク」
トヨタの「プロボックス」/「サクシード」といえば一部で「公道最速伝説」も囁かれる営業バンの定番ですが、その真なるポテンシャルをサーキットで解放すべく、「ハイエース」の匠がチューニングパーツを製作してしまいました。本気で走り込んで開発したという驚異のスペックを紹介します。
ターボ化したエンジンは扱いやすい150馬力
2024年4月26~27日に夢メッセみやぎで開催された東北カスタムカーショー2024。地元の宮城県からも多くのプロショップが出展し、会場を訪れたギャラリーの目を楽しませてくれた。そのひとつが多賀城市にある「ティークライム(T-CRIMB)」で、トヨタ「ハイエース」のカスタムで全国に名を知られている。
もうひとつの柱として掲げるトヨタ「プロボックス」/「サクシード」は、意外なことに本格的なサーキット向けのチューニングだ。代表の進藤さんはドラッグレースやサンデーレースで活躍したドライバーであり、走りの技術だけではなくクルマ作りやセッティングのデータも膨大に有している。それらを注ぎ込んで自らが楽しむために作り上げ、ユーザーへも提案するのがデモカーのサクシードだ。
以前はNAのメカチューンやスーパーチャージャーも試したが、NAはボディが軽くないだけに劇的な速さを得ることが難しく、スーパーチャージャーは社外のキットが絶版となり手に入りにくい。その点ターボならコストパフォーマンスに優れており、パワーやトルクの向上もノーマルとはケタ違いなのだ。デモカーは「シエンタ」のエンジンをベースにターボ化させ、扱いやすくノーマル感覚の150psに抑えている。
テストに持ち込んだスポーツランドSUGOではブーストが0.3kg/cm2しかかからない状態でも、排気量やラジアルタイヤといったスペックを考えれば上々といえる1分43秒台をマークした。本調子になりサスペンションやECUのセットアップが熟成されれば、SUGOでひとつの基準となる100秒切り、つまり1分40秒も十分に見込めるだろう。