レース以外にも見どころ満載!
ドイツ在住でモータースポーツを中心に取材する池ノ内みどりさん。2024年もライフワークとなっているニュルブルクリンク24時間レースを取材しました。決勝日の朝、レーススタート前にグランドスタンド裏のグッズ売り場などを散策。レースファンを魅了するアイテムなどがズラリと待ち構えていました!
決勝レース観戦のファンが詰めかけ大渋滞
第52回 ADAC RAVENOL ニュルブルクリンク24時間耐久レースの決勝日の朝は、まさかの濃霧と雨。前夜はとても美しい夕陽が見られたので、お天気がよくなることを強く祈っていたのですが、そうカンタンにはいかないのが「ニュルウェザー」です。
このレースウィークで何度も天気予報を見ましたが、まったくアテにならず。どんな天候になっても対応できるように防寒着などは持ち歩きました。
さて、決勝レース当日は予選日よりもさらに多くのファンが詰め掛け、早朝からサーキット周辺は大変な渋滞に。取材予定時間を間違えて早く宿を出てきたのですが、それが結果的に吉と出て、渋滞にはほんの少し巻き込まれただけで済みました。
そんな注目度の高い決勝レースを前に、グランドスタンド裏にあるショップやイベントコーナーを訪れてみました。アウディやBMW、メルセデスAMGの常設ショールームのほか、ドイツ軍の戦車など、ショップを覗きながら決勝レースまでの間をブラブラするにはうってつけの環境でした。Imbiss(インビス)、日本でいうスナックスタンドは大盛況で、どこも大行列でした。たしかに誰かがおいしそうに食べている姿を見たり、匂いを嗅ぐと思わず行列に並びたくなりますよね。
TOYOTA GAZOO Racingとしては2024年の参戦はありませんが、GRスープラGT4が数多く参戦していますので、イベントコーナーなどは設置されていました。2025年はTOYOTA GAZOO Racingが復活し参戦しますので、日本勢がさらに盛り上がるでしょう。
往年のファンにはたまらないクラシックレースも開催
日本では洒落た方が乗っているイメージもあるフォルクスワーゲン「ゴルフ」。こちらドイツでは何年連続になるかわからないほど、もっとも売れている国民車ナンバーワンに君臨し続けています。日本でいうホンダ「N-BOX」の位置付けと同じでしょうか。
そのゴルフも誕生から50周年を迎え、特別記念モデルが展示されました。未来的なカラーリングが施された展示車のGTIと同じマシンがニュル24時間レースにも参戦。VWがモータースポーツ活動から撤退してもうしばらく経ちますが、どんな体制になってもニュルで活躍してくれるのは嬉しいですね。
いくつかのサポートレースがこのレースウィークに開催されたのですが、1970年代、1980年代、1990年代と過去にここで大活躍したマシンばかり。どれもが垂涎モノの稀少車ですから、その思い出とともに往年のファンたちもお孫さんを連れている方を多く見かけてほっこり。これもニュルファンの特徴で、親子3代の家族連れで観戦する方も多いのですよ。
2023年は23万5000人もの観客を誇ったのですが、今年もそれ同等かそれ以上の数のファンが訪れているように感じました。この大歓声と拍手に包まれる中でのスタートは、本当に鳥肌モノで、何回観ても言葉に表せない程の感動です。しかし、スタート直後に雨が降り出し、1時間後には止むというまさに「ニュルウェザー」がレースを惑わし、タイヤの選択も前半戦のカギを握ったのでした。