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13年間クルマを所有したら税金だけでコンパクトカー1台分に!? 諸外国との自動車関連税金を比較してみました【Key’s note】

税金

毎年5月にやってくる自動車税は家計を圧迫すると悩む人も多いだろう

毎年5月は憂鬱になるクルマ好き多し

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「日本の自動車に課せられる税金」についてです。自動車税の納付期限も過ぎましたが、この自動車税のほか、クルマにはたくさんの税金が課せられています。納得できないという方も多いでしょう。日本で所有するといくらかかるのかのイメージを交えながら、あらためて解説。その額は、もう1台クルマが買えるかも!?

合計すればコンパクトカー1台分くらいになる

日本は聞きしに勝る自動車重税国家です。

われわれ自動車ユーザーは、さまざまな税金の支払いを課せられます。新車購入時には「自動車税環境性能割」と消費税の支払い義務が発生します。

保有するのにも、自動車税種別割が毎年請求されます。自動車重量税も重くのしかかります。ガソリン車でしたら燃料費も無視できません。ガソリンには揮発油税が1Lあたり48.6円、地方揮発油税が1Lあたり5.2円、合計53.8円がガソリン税として課せられています。ただし、この額には特別税率分25.1円が上乗せされています。加えて給油する際には消費税も必要でしょう。

EVには補助金制度が適用されますので、多少は重税感が和らぐかもしれませんが、電気とはいえ課税対象です。けっしてタダではありません。

日本自動車工業会が公表している「税負担の国際比較表」によると、日本の自動車ユーザーがどれだけ重税に苦しめられているかが理解できます。

比較の例としているのは、2000ccのガソリン車で車両重量は1.5t以下。JC08モード燃料消費率21.7km/L。車両本体価格269万円としていますから、典型的な軽量コンパクトな大衆車をイメージしています。

イギリスは購入時の税負担はけっして少なくないのですが、日本国民の保有に関する税負担はイギリスの1.8倍、ドイツの5.5倍、アメリカと比較するとなんと29倍も税金を負担しているのです。それは異常な事態と言ってもいいですよね。

同じく自動車工業会は13年間クルマを保有した場合の税負担額も試算しています。購入時には車両価格269万円の消費税26万9000円や自動車環境性能割などがのしかかりますから、約50万円ほどの税負担に。さらに、2年目以降は高速道路の利用税や自賠責保険への税金など、生活するのに常識的な税負担を試算すると約236万円を超えるのです。上記の価格の車両を実際に購入したとすると、ほぼ車両価格に近い税金を国に納めているのです。

ガソリン税も大きくのしかかる……

ガソリンの二重課税も問題になっています。ガソリンにはガソリン税のほか石油ガス税なども負担しているのですが、その税金にも消費税が加わっています。納得できませんよね。

納税は国民の義務ですから、理解できる範囲の課税は受け入れなければなりません。それが正しく使われているのでしたら不満はないでしょう。とはいうものの、あらためて外国の税制と比較すると気持ちがザワザワしますよね。

それでも日本は自動車大国です。生活国土は決して広くはないのに、驚くほど多くのにクルマが走っています。幸いなことに日本の自動車産業は世界トップレベルです。日本国民の底知れぬパワーを感じますね。

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