288GTO専用タイヤは絶賛開発中
ところで、ピレリとフェラーリにおいて現在開発中のタイヤは、1984年にデビューしたフェラーリの元祖スペチアーレ、「288GTO」とも呼ばれる「GTO」専用のもの。フェラーリは2024年10月1日から4日まで、イタリア・アルト・アディジェ州ドロミテ山塊からマラネッロまでを巡る「GTO レガシー・ツアー2024」を開催する予定なのだが、そのイベントでのお披露目を目指しているようだ。
当時のピレリがGTOのために用意したタイヤは、1974年から世界ラリー選手権で培った経験をもとに開発された名作「チントゥラートP7」である。ハンドリングを向上させるため、扁平率を極端に低く設定した最初の近代的タイヤであるチントゥラートP7は、1976年にポルシェ「930ターボ」に純正されたのを皮切りに、全世界の市販スポーツカー/スーパーカーに装着されるマストアイテムとなった。
GTO用としては、もちろんオリジナルのサイズ(フロント225/50R16、リア265/50R16)が用意され、こちらも現代的なマテリアルと構造テクノロジーが組み合わされつつ、当時物の意匠を再現したルックスが特徴となる。
これら4台の伝説的スーパーカーの交換用タイヤが正式に承認されることによって、並み居るフェラーリの中でも、とくに歴史的に重要なスペチアーレ各モデルのオーナーに、彼らの愛車が公道で安全にドライブできる「安心」を提供するというコミットメントを、あらためてフェラーリ本社が示したことになるのだ。