シチリア島に66台のブガッティが集結
世界中から66台ものブガッティが集結した「インターナショナル・ブガッティ・ミーティング2024」が2024年5月19日〜25日にイタリアのシチリア島で開催されました。参加者はシチリア島の遺産や文化に触れながら、かつてこの地で行われた輝かしいブガッティのレースの記憶に想いを馳せる旅となりました。
舞台は息を呑む美しさのシチリア島
ブガッティのインターナショナル・ミーティングは、世界中からブガッティの愛好家が集まる年に1度の大きなイベントだ。2022年はフランスのオクシタニー地方で、2023年はスイスのエンゲルベルクで行われたが、2024年の「インターナショナル・ブガッティ・ミーティング2024」の舞台はイタリアのシチリア島が選ばれた。
地中海最大の島、シチリア島はブガッティにとってつねに特別な意味を持つ。ブガッティ「タイプ35」は1925年から1929年にわたる5年間、シチリア島で開催された540kmにも及ぶ「タルガ・フローリオ」で優勝をおさめている。この5連覇という記録は、1977年にシチリア島の閉鎖された公道での最後のレースが行われたときまで破られていない。タイプ35の100周年を迎えた今日でも、シチリア島はブガッティコミュニティにとって崇敬の対象である。
今回参加した66台の車両は、1週間で1000km以上を走破した。創業者エットーレ・ブガッティによる傑作のクルマたちはノートやマルツァメミなどの歴史的な町を駆け抜けた。
ツアーのハイライトのひとつはエトナ山周辺のドライブで、参加者は壮大な火山を囲む魅力的なシチリア島の風景を堪能した。エトナへの曲がりくねった道をナビゲートし、栗林やブドウ畑、溶岩流を通り抜け、グランプリレーサーやビンテージのブガッティスポーツカーの列は、エトナ山の斜面にある伝統的なレストランでコーヒーブレイクを取り、地元のグルメを堪能しながら息を呑むような景色を楽しんだ。
タイプ35によるタルガ・フローリオ制覇の道のりを再現
シチリア島の中心に位置するヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々は、現在はユネスコにより世界遺産として認められ保存されている。この美しい街並みを楽しんだ後、参加者はマルツァメミに進み海辺でランチをし、夜はシラクーサの古代ギリシャ劇場でクラシックなギリシャ悲劇を鑑賞。シチリア島のヘレニズムのルーツと2000年以上にわたる文化的重要性を目の当たりにした。
シチリア島はその歴史だけでなく、優れたワインでも知られている。ツアーの4日目には絵のように美しいブドウ畑を通り、地元のワイナリーでの昼食を楽しんだ。
この旅の最終日には、再びこの注目を集めるグループはシチリア島の美しい内陸部を通り、途中で地元の熟練した職人技に触れた。それはブガッティのファンにとって、ブランドの特徴である細部へのこだわりと手工芸の、時代を超えた価値を思い起こさせるものだった。
1000kmの旅の間、ゲストは美しさ、文化、歴史の融合を体験し、シチリア島と伝説的なタルガ・フローリオが他のラリーと一線を画している理由を実感した。このミーティングでは歴史的に重要なタイプ35やその他の重要なブガッティモデルが多数シチリア島の地に戻り、タイプ35によるタルガ・フローリオの覇権の道のりを再現したのだった。
AMWノミカタ
ブガッティが美しいものを追求し、文化や伝統を重んじ、そして短くはあるが豊かなヘリテージを持ったブランドだということがわかる。ブランド主催のツーリングイベントなどは、得てしてクルマだけにフォーカスが当たってしまったり、ラグジュアリーな体験だけを提供するようなものが多いが、このイベントはシチリア島でのドライブを通じて参加者の知的好奇心も満たしてくれるツアーなのだ。
ツアーを通じて、ブガッティがブランドとして大事にする「美」や「先進性」、「ヘリテージ」そして「クラフツマンシップ」を訴求する。ブガッティが他のブランドとは異なる一種の特異性は、このブレない哲学にあるのだろう。