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ニュル24時間クラス優勝したSTIのガレージにレース翌日に訪問! STI辰己監督の勇退セレモニーが行われました【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

  • 辰己監督とWRX
  • 辰己総監督へ寄せ書きTシャツをプレゼント
  • チーム全員の寄せ書きが入ったTシャツがプレゼントされました
  • みなさんいい笑顔! STIではハイ、チーズではなく、おかねもちというようです(笑)
  • ガレージ内部は和やかな雰囲気
  • 辰己総監督にとって忙しい合間の一服は大事な時間です
  • フジツボ製のエキゾーストパーツも多数持ち込まれました
  • レースを終えてサーキットから帰ってきた機材をファクトリーへ
  • テキパキと片付けるメカニックたち
  • テキパキと片付けるメカニックたち
  • 大量の空きペットボトルや空き缶はある意味宝の山です
  • 24時間レース用の機材が満載
  • 2024年仕様のケースはステッカーも貼られてカッコいい
  • BBSのホイールはいったい何本用意されていたのでしょう
  • レースで使用した機材が並ぶファクトリー
  • テキパキと片付けるメカニックたち
  • 辰己総監督とWRX。トロフィーとともに!

消化不良なレースだったがSTIはSP4Tクラスで優勝

悪天候に翻弄された、2024年のニュルブルクリンク24時間レース。レース翌日のSTIガレージに足を運ぶと、レースを終えて片付けをするチームの皆さんが、2024年で勇退する辰己英治総監督と交流をされていました。ファクトリーでの様子をお届けします。

祝勝会翌日のファクトリーには大勢のメンバーが残った

WRC(世界ラリー選手権)の活動終了後、世界一過酷なレースと言われるニュルブルクリンク24時間レースの参戦を通して、ヒトとクルマを鍛えることを目標に2008年から正式に開始したSTI NBR CHALLENGE。

2024年は初年度から総指揮を担われていた辰己英治総監督のご勇退レースとなりました。濃霧のため、長時間赤旗中断をしていた24時間レースは、少々消化不良ではあったものの、クラス優勝は大快挙です。日本からも公式映像やSTIのモータースポーツサイトから応援をされていた方も多いのでないでしょうか。

悪天候のレースでチームのみなさんはぐったりお疲れだったと思いますが、レース終了後にすぐ撤収作業を済まし、定宿近くのレストランに全員集合。SP4Tクラス優勝の祝賀会と辰己総監督お疲れ会を開催したそうです。

STIチームはニュル近郊のアーデナウという小さな町にガレージを借りているのですが、せっかくですので、レース終了翌日の月曜日朝にお邪魔してみました。

祝賀会のあとの心地よい疲れの中、外国人ドライバーや先発帰国メンバー以外はふたたび全員集合。辰己総監督の最後の貴重なお言葉を伺ったあと、チームのみなさんがひとことずつメッセージを記載したニュル24時間レースTシャツが辰己総監督へプレゼントされました。

じつは2024年のニュル24時間レースに参戦した最高齢ドライバーの方は、ナント75歳! 73歳の辰己監督に、2025年はぜひドライバーで参戦してもらいたいですね。もしくは、ノルドシュライフェのコース脇でキャンプとBBQをしながらチームを見守っていただきたいものです。

戦いを終えた88号車WRXとともに、チームの皆さんが辰己総監督とトロフィーを持って交代で最後の記念撮影。ディーラーメカニックの皆さんを含め、主要メンバーが集うのは最後とあり、名残り惜しく数多くの写真を撮っているのが印象的でした。

サーキットから持ち帰った空き缶やペットボトルは捨てちゃダメ!

記念撮影のあと、チームのみなさんはテキパキとレースで使用した機材をトランスポーターやバスから順におろして、ファクトリーの中へ整頓して収納。あとはWRXをはじめ、数多くのパーツ類も日本へ返送されるのを待つばかりです。ケースでさえめちゃくちゃカッコよく、思わず写真を撮ってしまいます。スーパーGTやスーパー耐久などでは撤収作業をファンの方も身近に見ることができるかもしれませんが、ニュルの撤収作業はなかなかご覧になれないのではないでしょうか。

撤収作業の様子

大量のごみ袋もバスから降ろされましたが、じつはこれ、ゴミではないんですよ。ドイツではペットボトルや缶飲料にはデポジットが加算して販売されており、1本につき25セント(約43円)ですので、カンタンに捨てるわけにはいきません。

レースウィークでチーム全員が飲むドリンクの数は相当だと思います。これをスーパーマーケット内にある回収機に入れると、バーコードの記載されたレシートのようなチケットが出てきます。それをレジに持って行くと、お買い物代金からその金額が値引きされるか、現金で貰うことも可能です。STIチームの量だと100ユーロ近く(1万7000円程度)になるのではないでしょうか。これも大切なチームの参戦資金の一部ですから、カンタンにペットボトルや缶は捨てられないのです。

辰己総監督にとってここはニュル生活においてじつに思い出深い場所のひとつに違いありません。レースの準備期間にはほぼここに籠っておられた辰己総監督は、ほとんど外食をなさらず、スーパーマーケットで野菜を買い、このファクトリーで日本からご持参されたパックご飯やお餅などをご自身で調理して召し上がっていたそうです。華やかなレースの舞台裏では、本当に地道な作業を続けて来られたんだなと思います。玄関で一服されているお姿をもう見られないのが残念です。

2025年のニュルブルクリンク24時間レースには、TOYOTA GAZOO Racingが復帰予定です。コロナ禍から日本チームはSTIのみでしたが、2025年は日本勢がニュルをもっと盛り上げてくれるに違いありません。

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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