今も陸上交通の要衝として賑わうカリフォルニア州バーストー
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かい、ついにカリフォルニア州に突入しました。旅の終わりが近づくなか、交通の要衝であるバーストーからヴィクターヴィルまで、ミュージアムをはじめとしたお勧めスポットを紹介します。
ふたつのインターステートが交わる場所
かつてルート66で西海岸を目指した人々にとって、最後の難関であったと思われるのがモハヴェ砂漠だ。強烈な日差しが空から降り注ぐなか、故障やガス欠に怯えながら西を目指す。クルマの性能が飛躍的に向上し携帯電話も普及した現在、生死に関わるトラブルに見舞われる可能性は少ないけど、砂漠を無事に越えたことを実感しホッとする瞬間がある。
それが今も昔も交通の要衝として栄えるバーストー。オクラホマ州の途中からルート66に寄り添うように建設されたインターステート40号線の起点であり、サンディエゴからカナダ国境までを結ぶインターステート15号線というふたつの大動脈が交わる場所だ。さらにアメリカの長距離鉄道として知られるアムトラックや、この連載で何度か登場した大編成の貨物列車が停まる駅もある。
今もルート66は街のメイン・ストリートであり続け、沿道には味のあるモーテルやレストランがたくさん。また郊外には大きなアウトレット・モールがあり、ロサンゼルスから遠くないこともあり大いに賑わっている。
週3日営業だけど絶対に行きたい、ルート66マザーロード・ミュージアム
そんなバーストーでルート66ファンが絶対に行くべき場所は、駅に併設の「ルート66マザーロード・ミュージアム」だ。金土日の週3日しかオープンしていないためタイミングを合わせるのは難しいが、1911年にハービー・カンパニーによって作られた建物だけでも見る価値はあるし、鉄道のミュージアムが隣接しており屋外には古い機関車が数多く展示されている。
もうひとつのオススメは跨線橋から見下ろす駅舎と線路。駐車場にクルマを置いてルート66に繋がる道を歩けば、20本に迫る数の線路とモダンな外観のバーストー駅、また運がよければアムトラックや貨物列車を撮影できる。