先代86オーナーとしてGR86は気になる存在
旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらい若者目線の素直なインプレをお届けする連載「令和女子旧車に乗る」。今回は番外編として、佐々木さんが撮影現場で気になっていたENDLESS(エンドレス)のトヨタ「GR86」デモカーに試乗! 先代「86」オーナーとしては、やはりチューニングされたGR86は気になるようです。
今年はKYOJO CUPに加えてGR86/BRZ Cupにもスポット参戦
佐々木藍咲さんは富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。5月にめでたく20歳の誕生日を迎えたばかりだ。
レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めていて、日々の仕事からプライベートまでクルマ漬けの生活を送っている。2024年シーズンは昨シーズンに引き続きKYOJO CUPにエントリー。誕生日直後の5月12日に行われた開幕戦では、自己最高位となる5位でチェッカーを受けた。また、今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦する。
GR86/BRZ Cupにスポット参戦、そして自身は先代86オーナーということもあり、最新モデルであるがチューニングされたGR86が気になっていた様子の佐々木さん。「エンドレス130コレクション」で他の旧車を取材していた際、現場にあったENDLESSデモカーに急遽試乗させてもらえることとなった。
各種パーツが装着されたENDLESSの開発車両
このデモカーは足まわりを中心にチューニングされた仕様。ストリートからサーキットまでオールラウンダーに対応するサスペンション「ファンクションPS」ベースのものを装着し、ブレーキはフロントにMONO4 TA、リアに試作のMONO2を装着、ブレーキパッドはENDLESSの新作となるSR01が組み合わされている。
また、ENDLESS製以外のパーツも装着。マフラーはFUJITSUBOのA-Rに変更され、エアロパーツはGROWのアイテムで統一されている。サーキット走行に合わせてHKS製オイルクーラーも装着されており、日々あらゆるシチュエーションで各パーツのテスト走行をしている開発車両でもある。
サスペンションの減衰力をソフトとハードで比べてみると?
このGR86に装着されているENDLESSのサスペンションは20段の減衰力調整が備わっているが、まずはソフトな設定で走行スタート。
「想像していたよりもマイルドで驚きました。街乗りでも快適ですね。乗り心地が良いと感じるのですが、タイヤからのインフォメーションもしっかりと分かりやすく伝わってきます。あとギャップがあるところも安定していて暴れないので、安心感があります」
ソフトな減衰力を味わった後は、減衰力を固めてその差を体感してみることに。今回は12段階締めた状態で試乗してみた。
「減衰力を硬くするとたしかに乗り心地は少し固い印象になります。でも揺れの収まりが早くなって、シャープなフィーリングもより感じられるので運転はこちらの方が楽しい印象になっています」
奥でもしっかりコントロールできるブレーキフィール
そしてブレーキのフィーリングにも好印象を持っている様子であった。
「自分の86に比べて、まず単純に、より止まる! って感覚に驚きました。あと初期からしっかりと効くんですが、踏んだら踏んだ分だけ効くフィーリングで、奥でしっかりコントロールできる印象で、運転していて好きな感じのブレーキですね」
そして先代86オーナーだからこそGR86のここが嬉しいと感じるポイントもあるようだ。
「2.4Lになって低速トルクがあるので、街乗りがすごく楽ですね。普通の走行でもそれは実感できるのですが、とくに感じるのが発進です。クラッチミートがとてもしやすくて、気を遣う部分が減りましたね」
チューニングされたGR86の良さを随所で感じていた、先代86オーナーの佐々木さん。今回の試乗で良いと思った部分が、自身の86のチューニングに活かされるかもしれない。
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