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フェラーリ新型「12チリンドリ」はベルリネッタが5674万円、スパイダーは6241万円から! 自然吸気V12エンジンで勝負

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: AMW

  • 12チリンドリのジャパンプレミアは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階のTOKYO NODEであった
  • 背景の映像が静止した実車がいかにも走っているかのような演出
  • 真っ赤な仮想空間から東京の夜の街へと場面は転回する
  • TOKYO NODEから見る眼下の東京の首都高のような風景に
  • 新車発表会で、生前のエンツォのインタビュー映像が使われるのは、フェラーリの常套演出
  • 12気筒エンジンのみで走ることを高らかに謳う。12チリンドリにとっては、現在のクルマを取り巻く環境はベストともいえるかもしれない
  • ロングノーズ ショートデッキのプロポーションは、フェラーリのFR12気筒ではセオリーだ
  • 往年のデイトナのデザインを踏襲したフロント
  • 「デルタウイングシェイプ」と呼ばれる、ルーフとリアウインドウのブラックアウトした意匠を反復されるデザイン処理などには、斬新な個性が表現
  • 豪華さがさらに増したコクピット
  • 12チリンドリのジャパンプレミアは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階のTOKYO NODEであった
  • フェラーリ S.p.A. ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏(左)とフェラーリ・ジャパン 代表取締役社長ドナート・ロマニエッロ氏(右)
  • 「F140HD」型65度V型12気筒の総排気量は6496cc。自然吸気ながら、830cv/9250rpmの最高出力と678Nm/7250rpmの最大トルクを発生
  • 「F140HD」型65度V型12気筒の総排気量は6496cc。自然吸気ながら、830cv/9250rpmの最高出力と678Nm/7250rpmの最大トルクを発生
  • 「F140HD」型65度V型12気筒の総排気量は6496cc。自然吸気ながら、830cv/9250rpmの最高出力と678Nm/7250rpmの最大トルクを発生
  • 12チリンドリのジャパンプレミアは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階のTOKYO NODEであった
  • フェラーリの新時代を予感させる12チリンドリ

フェラーリの新フラッグシップ、12チリンドリが日本に初上陸

2024年5月3日、北米フロリダ州マイアミにてワールドプレミアに供されたフェラーリの新型V12フラッグシップ、「12Cilindri(ドーディチ チリンドリ=12気筒)」が、大方の予想よりも早く、日本へと初上陸を果たしました。そして、この6月11日から3日間にわたり「Ferrari 12Cilindri Japan Premiere」と銘打った、招待顧客向けの初お披露目の場が設けられることになったのですが、それに先立つかたちで初日にプレス向けのプレゼンテーションの模様をお届けします。

12気筒であることを、堂々と車名に掲げたニューモデル

長年、フェラーリのフラッグシップとして君臨してきたV12ベルリネッタの最新版、そして「812スーパーファスト」に代わるニューモデルとなる「ドーディチ チリンドリ」は、直球ど真ん中の車名が示すとおり、フェラーリの伝統であり象徴でもあるV12エンジンを、なんらの電動アシストも介在することなく搭載した、きわめてピュアなスーパースポーツ。プレゼン会場においても、V12エンジンについてとうとうと語る開祖エンツォ・フェラーリの在りし日の映像を流し、その誇り高き血統を高らかに主張していた。

パワーユニットは、先代最終期のハードコアモデル「812コンペティツィオーネ」で試行された新機軸を盛り込んだという「F140HD」型65度V型12気筒6496cc。自然吸気ながら、830cv/9250rpmの最高出力と678Nm/7250rpmの最大トルクを発生するとともに、最高許容回転数はこれだけの大排気量の市販車用レシプロエンジンとしては異例ともいえる、じつに9500rpmという数値を示している。

トランスミッションは「SF90」で初採用された8速DCTを組み合わせ、多段化および変速スピードアップを図った結果、最高速度は340km/h、0-100km/h加速タイムは2.9秒という、量産フェラーリのフラッグシップに相応しいパフォーマンスを発揮するという。

いっぽうシャシーに目を移すと、アルミ製のスペースフレームは812シリーズからホイールベースを20mm短縮した新設計のものとされた。くわえて、エンジンと同じく812コンペティツィオーネで初試行された4輪独立操舵システムや、「296GTB」以来となる「ABS Evo」および「6Dセンサー」を採用したブレーキ・バイ・ワイヤシステム。そして、ドライブトレインやサスペンションを統合制御する「サイドスリップコントロール(SSC)8.0」などのダイナミクスコントロール機構も、最新スペックのものにアップデートされているとのことである。

温故知新のスタイリング

ほとんどの日本人にとってはこの日が初のお目見えとなった「ドーディチ チリンドリ」だが、プレゼンテーション会場での第一印象はかなり好評であるかに映った。

いわく、「1950~1960年代の伝説的グランドツアラーから着想を得ながら、エレガンスとスポーティさを表現した」とのこと。ボディサイズは全長4733mm×全幅2176mm×全高1292mmと発表されている。

近年の通例にしたがって、デザインワークは社内の「チェントロスティーレ」で行ったエクステリアは、フェラーリのV12 FRベルリネッタが長年継承してきた、ロングノーズ&ショートデッキのフォルムとするとともに、リアフェンダーの筋肉質な膨らみやノーズのデザインにも、フェラーリ歴代の名車の面影が見てとれる。

ただそのかたわら、「デルタウイングシェイプ」と呼ばれる、ルーフとリアウインドウのブラックアウトした意匠を反復されるデザイン処理などには、斬新な個性が表現されているといえよう。

ところで、今回の「Ferrari 12Cilindri Japan Premiere」に展示されたのは、ベルリネッタ版1台のみだったが、ドーディチ チリンドリにはオープントップ版の「ドーディチ チリンドリ スパイダー」もラインアップされる。

パワートレインなどのスペックやボディサイズはベルリネッタから不変ながら、車両重量(本国データ)はベルリネッタの1560kgから60kgアップに相当する1620kgに増量することから、最高速度は340km/hと不変でも、0-100km/h加速はほんの少しだけ遅い、2.95秒と公表されている。

ベルリネッタは5674万円から

また、今回のプレゼンテーションおよびプレスリリース内でも触れられてはいないものの、会場に居合わせたフェラーリ・ジャパン関係者にそれとなく尋ねてみたところ、ドーディチ チリンドリの生産開始はグローバルでおそらく今年末、スパイダーは2025年春になる予定とのことで、当然ながら日本への導入は、それぞれのデリバリー開始よりもさらに先のこととなる。

したがって、日本市場における車両販売価格は現時点では暫定のものながら、ベルリネッタ版のプライスは、オプション抜きのベーシック仕様でベルリネッタが5674万円、スパイダーは6241万円(ともに消費税込)を予定しているとのことである。

いずれにしても、再びドーディチ チリンドリと相まみえる機会が得られるのは、来年以降のこと。これまでの12気筒フェラーリでも前例がなかったほどにこだわったというV12サウンドをともなって、フェラーリの新生フラッグシップが日本の路上に降臨する日が、今から待ち遠しいものだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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