親であることを保護するための福祉政策や地域社会とのプロジェクトも実施
また、男女平等に関する全体的な企業ビジョンに沿って、働く親であることから生じるケアの負担と責任を公平に分配することを可能にする「シェアード・ペアレンティング」のモデルを促進する、家族への直接的な支援も中心的な重要性を持っている。例えば、育児休暇期間のための経済的補助や、家族の病気や病気見舞いのための有給休暇、子どもを保育園や幼稚園に入園させるための有給休暇など、親であることを保護するための福祉政策を実施している。さらに、「ひとり親」や障がいのある子どもの親には特別な保護が保証されている。また、「ママ&パパ・コーチング 」は、新しい母親と父親が、子どもの誕生によって必然的に生じる変化について専門家に相談できるようにする企業イニシアチブであり、非常に高い評価を得ている。
また、ランボルギーニの取り組みは企業の枠を超え、地域社会にも及んでおり、同社が長年にわたって開発・支援してきた数多くのプロジェクトがある。その中でも、ランボルギーニ車は、他の企業との協力のもと、ボローニャの企業コミュニティである「Rete Capo D」を設立した。Rete Capo Dは、とくに学校と教育環境に重点を置き、機会均等の意識を高めることに取り組んでいる。
キャンペーン、コラボレーション、プロジェクトを通じて、ランボルギーニは、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの文化を広め、障壁や先入観を超越し、自動車業界の好例であり続けることを目指している
AMWノミカタ
DE&Iという言葉は最近多く使われるようになったが、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)の略である。すなわち人種、性別や障がいなどを問わず、そして誰もが公平で尊敬される社会を目指すという活動である。世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が発表した2023年のジェンダーギャップ指数を見てみると、イタリアは79位に位置する。男性の1に対して女性は0.705ポイントなので経済・政治・教育・保健の4分野でおおよそ7割しかその恩恵は受けられていない計算になる(ちなみに1位はアイスランドの0.912、日本は125位の0.647である)。そんな社会的風土のなかでここまでの取り組みをしていることは、イタリア国内ではかなり先進的な企業のようにうつる。
ランボルギーニは国際的な企業なのでルールや社会的な責任としてここまでの取り組みをしているのだろうと思われるが、一方で優秀な社員を手放したくないという思惑もあるのであろう。企業にとって優秀な人材は財産である。そして社員の高いロイヤリティはきっとプロダクトに反映されるはずである。ランボルギーニがこれからどうやって私たちをワクワクさせてくれるか期待したい。