新車から42年大切に乗り続けてきたガゼールRSというマイナー車
シルビアの兄弟車としてリリースされた日産「ガゼール」。大人気のテレビドラマ『西部警察』で有名になったガゼールのなかでも「RSエクストラ」というグレードに乗る本間さんは、なんと新車で購入してから42年間も乗り続けているというから驚きです。ラリーマシンをオマージュしているというガゼールを見ていきましょう。
モデル末期に登場したFJ20エンジン搭載車
毎月第3日曜日の早朝に東京の奥多摩湖に集まる旧車たち。そんな奥多摩の駐車場で出会った気になる1台にフォーカス。今回は、短命に終わった日産の名車「ガゼールRS」を紹介しよう。
ガゼールは、3代目「シルビア」の兄弟車として1979年にデビューした。多くの人はテレビドラマ『西部警察』で登場するオープンカーを想起する人も多いであろうあの車両だ。オーナーの本間さんは、なんとこの車両を新車当時に購入。以来42年間所有し続けているという。
「もちろん最初はずっと乗るつもりで買ったわけじゃないんですよ。ただ次のモデルが自分的に魅力を感じなかったんですよね。そうこうしているうちにガゼールというモデルがなくなっちゃって(笑)。で、今に至るという感じですね」
本間さんが乗るのは、モデル末期の1982年に登場した「2000DOHC RSエクストラ」というグレード。それまでのZ18/Z20型ツインプラグSOHCユニットに変わって、R30スカイラインと同じDOHCのFJ20E型エンジンを搭載し、一世を風靡したモデルだ。
S110ベースのラリーマシン240RSをオマージュ
外観は基本的にノーマルのままだそうだが、唯一あえてノーマルを崩しているのが、ヘッドライトまわりだ。グリルにDATSUNエンブレムが装着されているほか、純正のヘッドライト周囲に装着されているヘッドライトベゼルが外されているのだ。本間さんにその理由を伺うと、
「かつてラリーで活躍した240RSという、このS110型シルビア/ガゼールの2ドアハードトップをベースとしたラリーマシンがあるんですが、その240RSは、ヘッドライトベゼルがない、このフロントマスクが特徴なんです。これはそのオマージュです」
そのほか、ブリヂストンのメッシュホイールを装着し、NISMOの510ラリー用スプリングを流用しているそう。そのため若干だが純正より車高は高くなっており、リアが少々硬めのセッティングなのだとか。
足まわりのパーツも欠品! パーツ集めが課題
シルビアと兄弟車とはいえ、S110型は40年以上が経過しているビンテージ車。維持をするのは大変だという。幸いこの車両はFJ20Eエンジン搭載車なので、エンジンやトランスミッションはまだなんとかパーツが出るそうだが、ボディパーツは絶望的。さらに足まわりに関してもブレーキ関連のパーツに欠品が出ているそうで、部品の確保には苦労しているそうだ。
実際に本間さんも部品取り車からボンネットやトランクなどを確保し、移植しているという。またボディサイドの「RS 4 VALVE DOHC」というストライプも当然メーカーでは欠品しているそうで、クラブでリプロダクションしたものを貼っているそうだ。
こうして苦労の末、本間さんは42年という長きにわたって愛車を維持してきたというわけだ。