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浜田省吾の名曲MVに登場した名物ダイナー! カリフォルニアの山火事で焼失し今は看板がひとつ残るだけ…【ルート66旅_57】

浜田省吾の名曲MVに登場した名物ダイナー! カリフォルニアの山火事で焼失し今は看板がひとつ残るだけ…【ルート66旅_57】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • ダイナーとしての営業がスタートしたのは1952年。山火事で全焼しなければ2年後には創業66年を迎えていたと思うと本当に惜しい
  • カウンターがフロアの中央に細長いコの字で設置されている。このレイアウトもMVを見てサミット・インだと感じた理由のひとつだ
  • 浜田省吾『家路』のMVの2:59から出てくる構図を忠実に再現。以前との違いはルート66のロゴがなく、右下に「SINCE 1952」と書いてあった程度だ
  • 2014年に飲酒運転のクルマが突っ込んだ1週間後。このときの休業は4カ月に及んだとのことだ。峠の下りで事故が起きやすい立地なのだろうか
  • 営業を再開してすぐ渡米するチャンスに恵まれた。まさかこの1年半後に山火事で何もかもなくなってしまうとは。残念で言葉も出ない
  • 2024年になった現在も看板だけは残されている。ただし敷地はフェンスで仕切られ近付くことができない。写真は2017年11月に撮影
  • 何度か改装はあったはずだが、MVの雰囲気そのままの店内。最初に既視感を覚えたのはシートの背もたれに使われている生地だった
  • シンプルで美味しい朝食。奥に見えるのがカリカリに焼いたベーコンで、同じように作りたくてロッジの「グリルプレス」を購入した
  • 1928年に宿としてスタートした当時の看板なのだろうか。建物から離れているのが幸いしてか、事故からも山火事からの生き延びた
  • ありし日のサミット・イン。バーストーもしくはサンバーナディノに宿泊して、翌日の朝に食事しに行くのが私のルーティーンだった

カホン峠のダイナー「サミット・イン」の思い出

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かい、ついにカリフォルニア州に突入。今回は、残念なことに2016年に焼失してしまった名門ダイナー「サミット・イン」の思い出を振り返ります。

1952年創業の人気ダイナー

前回で紹介したバーストーとヴィクターヴィルを過ぎ、ルート66は砂漠から一転して険しいカホン峠(Cajon Pass)へ突入。これが約1100kmにわたって続くサンバーナディノ山脈で、西に下りればインランド・エンパイアと呼ばれる都市圏だ。長らくマザー・ロードに寄り添ってきたインターステート40号線から15号線に合流し、ロサンゼルスとラスベガスを行き交うクルマで交通量が著しく増えるエリアでもある。

先を急ぐ旅ならフリーウェイを使うのが最善だが、ルート66ファンなら旧道をのんびり走りたい。今回はその途中にあった大好きなダイナーを紹介したい。

インターステートの出口でいえば138番、オーク・ヒルズ・ロードを降りてすぐの、1952年にオープンした「サミット・イン」だ。カホン峠の頂上に位置することからサミットと命名され、オリジナルは1928年に建設された宿だったらしい。インターステートを走るクルマからよく見えるし、かつてモーテルだった名残か駐車場も広いため、ルート66の廃線後も客足は途絶えなかった。

2016年の山火事でまるごと消失……

私はカリカリのベーコンが添えられた朝食がとくにお気に入りで、全線走破のときに限らずLAから何度も足を運ぶほどだったが、2016年の8月16日に起きた大規模な山火事で全焼してしまう。日本でも報道されたブルーカットファイヤと呼ばれる火災で、発生から5日後には約150平方kmの面積を焼け野原に変えた。そのなかにサミット・インも含まれており、何度か復活するとのウワサが流れたものの、2024年6月の現在も再建はされておらず、焼け残った看板が寂しそうに佇んでいる。

思えばサミット・インを襲った不幸はこれだけじゃない。2014年には飲酒運転の盗難車が突っ込み、改修のため長期休業を余儀なくされた。そんな事件があったなんて知らず1週間後に訪れ、惨状に驚き写真も撮らずに帰ったことを思い出す。

スピードが乗る峠の下りでインターステートのすぐ脇というロケーションで、それ以前にも被害こそ軽微だがクルマによる事故は何度かあったらしい。

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