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スウェーデンで自動車博物館ハシゴ旅! たまたま「サーブ9000生誕40周年記念」イベントに遭遇、取材を忘れるほど最高の旅でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

スカニアは予想外の休館!

現地3日目の6月6日(木)は「スカニア博物館」(Scania Museum)を手始めに3つの博物館を巡りました。ただし、最初に訪ねたスカニア博物館はこの日がスウェーデンの国民的休日にあたることから臨時休館。ゲート前のインターホンから流れてくる担当者は分かりやすくゆっくりと優しい口調で説明してくれましたが、それでも休日は休日、休館は休館で見学を諦めざるを得ませんでした。

次に訪れた「国立科学技術博物館」(Swedish National Museum of Science and Technology)は予想通り、というか心配していた通り、クルマ関連の展示は一切ありませんでした。これは事前に公式サイトで調べて心配になっていたから入場する前に係員に確認したところ、彼女も「そうなんです、クルマ関連の展示はありません」とのことで入場前に駐車場に引き返すことにしました。

その後訪れた「自動車と技術歴史博物館」(Bil-och Teknikhistoriska Samlingarna)は、名前通りクルマの技術史をフィーチャーした展示が多い技術博物館で、もちろんクルマも歴史的なモデルもありましたが、トランスミッションなどの技術展示も多く興味を惹かれました。ただし台数的には少し寂しく、先に訪れた2軒で落ち込んだモチベーションを引き戻すことはできませんでした。

サーブとボルボは好対照

その翌日にはスウェーデンを代表する2大自動車メーカー、ボルボとサーブがそれぞれ運営する「ワールド・オブ・ボルボ」(World of Volvo)と「サーブ自動車博物館」(Saab Car Museum)をハシゴしました。最初に訪れたのはサーブ自動車博物館でしたが、この日はちょうど博物館が主催する「Saab Car Museum Festival 2024 – サーブ9000生誕40周年記念」が開催され、各地からサーブのオーナーズクラブ会員やファンが集結。博物館のエリア全体で「青空博物館」が展開されていました。

博物館の館内は厳かな空気もあり、一歩館外に出れば新旧取り揃えられたさまざまなサーブ車と、家族連れやカップルなどサーブ好きの老若男女が和気あいあいとサーブ談議に花を咲かせ、取材しているのを一瞬でも忘れてしまいそうなくらい、楽しい雰囲気にあふれていました。

一方のワールド・オブ・ボルボですが、この4月にオープンしたばかりの施設で、桁違いの収容台数を誇る(であろう)パーキングビルの上にそびえ立つ円形の建物がその本体。ただし、新たなファン層を拡大する必要性は認めつつも、あまりにも迎合し過ぎてはいないか、との感も抱かせられました。ただしオープンからわずか2カ月の若々しい自動車博物館だけに、その評価にはもう少し時間が掛かるでしょう。

スウェーデン最終日となる6月8日(土)は個人博物館2軒をハシゴしました。「トベックス・キンナ自動車博物館」(Bilmuseum – Toveks Bil Kinna)と「自動車と航空博物館」(Svedino’s Automobile and Aviation Museum(Svedinos Bil- och Flygmuseum)です。

ともに個人博物館としてはよくこれだけの収蔵車両を集めたな、と感心するほどでしたが、台数の割にはスペースが限られているからか、詰め込み過ぎな感じで、またそれぞれの保存状態も少し酷くて(ひどいクルマも少なからず見受けられて)ちょっと残念な気がしましたし、ヨーロッパ自動車博物館探訪記 part.1 スウェーデン編のトリを飾るには少し役不足だったかな。でも、博物館巡りは楽しいです。次回はヨーロッパ自動車博物館探訪記 part.2 イギリス編をお送りします。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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