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マツダ「RX-7」用ロータリーを「スーパーセブン」に搭載! 人生最後の1台になぜエンジンもボディも「セブン」を選んでRE雨宮に製作してもらった?

ウエストフィールド ウエストスポーツと、オーナーの森さん

人生最後のスポーツカーとしてウエストフィールドREスーパーセブンを製作

英国ウエストフィールド社の「ウエストスポーツ」をベースに、屋根なし、ドアなし、フロントスクリーンなし……と潔すぎるマシンを愛車として楽しむ森さん。よく見れば、驚くことにパワーニットであるエンジンが13Bロータリー仕様になっていたから興味津々です!

RE雨宮が製作したオリジナルマシン

峠を攻めまくるクルマではなく、休日ドライブの道すがら、ちょっとしたワインディングを楽しむ粋な大人のためのスポーツカーとして注目されているウエストフィールド。ケータハムやバーキンといった、いわゆる「スーパーセブン」シリーズと同じく、このクルマはキットカーとしてさまざまな国で輸出され、そのイジりやすさから、各国にオリジナル仕様でインパクトを高めたマシンが存在している。

日本では、ロータリーショップとして名高いRE雨宮がチューニングベース車としていち早くオリジナルマシンを製作。その歴史は古く、じつは1990年代にRE雨宮は、バーキン7をベースに13Bターボエンジンを搭載するマシンを完成させる。そして、そのクルマで雑誌主催のゼロヨン大会に参加。軽量コンパクトハイパワーのマシンには、ポルシェ「911」用の極太タイヤを履かせていたが、トラクションコントロールなんて存在しない時代、1速、2速、3速までもホイールスピンの嵐! そんなジャジャ馬マシンを、ドライバーはアクセルとクラッチ操作のみでコントロールし、見事に好成績を収めた。マシンも凄かったが、それをドライブしコントールするドライバーもまた凄かった。

そんな衝撃的な出来事は、ここで紹介するウエストフィールドRE乗りの森さんも、当時のチューニングフリークのひとりして雑誌で読み知っていた。当時の愛車はFC3S型マツダ「RX-7」で、たまたま自宅がRE雨宮本社のそばということで昔から大ファンだった。

人生最後のスポーツカーはNAロータリーマシンとしてオーダー

そのクルマは仕事も忙しくなり、泣くなく手放してしまったが、森さんが50歳を迎えた頃、そろそろ最後のスポーツカーとして乗るクルマを本気で探そうと決意。やはり若い頃に乗ってていたロータリー車に乗りたいと考えインターネットで「セブン」と入力すると、たまたま出てきたのがマツダRX-7ではなくスーパーセブンだった。そして、昔、RE搭載のバーキンがあったなぁーと懐かしくなり検索すると、驚くことにRE雨宮が2019年に再びRE搭載スーパーセブンを東京オートサロンで発表した記事を発見! バーキンではなくウエストフィールドをベースに製作されていたが、森さんの中で、大昔、雑誌を読み憧れたクルマだったので、コレに乗れたら最高だ! これぞ人生最後の最後のスポーツカーとしてふさわしい! と考えてRE雨宮にダメ元で相談。昔から馴染みであり、ご近所でもあったので、特別にベース車探しから製作まで引き受けてくれることになった。

そこからは、2019年のオートサロン出展車「ONKIMLAND WEST FIELD by RE雨宮」を参考に、森さんのマシンとして製作を開始。すでにおRE雨宮では同じクルマを1台作っていたことで、エンジン換装に伴う必要な部品の調達から、加工までスムーズにできたそうだ。また、オートサロン出展車はREターボだったが、森さんはハイパワーモンスターを望まず、俊敏なフットワークでワインディングを気持ちよく駆け抜けるNAロータリーマシンとしてオーダーしていた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを一冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら

FC3S純正USエンジンを搭載

オートサロン出展車が壱号機として製作され、森さんのマシンは2番目に製作したモデルだからと、RE雨宮代表によって「ウエストフィールドRE弐号機」と名付けられた。チューニングの詳細については、なるべく加工を少なくするためにエンジンはFC3S純正USエンジンを搭載。このベースユニットを選んだ理由は、輸出モデルのFCはNAしかなかったことが最大の理由。エンジンだけでなくハーネス類も含めてマツダ純正品がそのまま使えるのが大きなメリットだっとという。また、エンジン換装に伴って、本体はオーバーホールを行ったが、その際に「RX-8」用のローターに交換し、高圧縮仕様にしているのもポイントだ。また、RX-8用についてはオイルパンも流用しているとのことだ。

見た目ではわかりにくいが、じつはマツダ純正流用パーツはかなり多く、トランスミッションはSA22C用、キャリパーやローターはFC3S用を入れるなど、元はウエストフィールド社のマシンではあるが、RE雨宮の手によってマツダパーツとコラボさせた特別仕立てのマシンとして仕上がっている。

気持ちよく走れる人生最後のスポーツカー

ボディは見ての通り、完全なオープンエアスタイルで屋根はなく、ドアもなければ、ウインドスクリーンも付いていない。したがって、これに乗る時にはヘルメットを被っているのかと聞いてみると

「たまにヘルメットを被る時もあるが、ほとんどサングラスに帽子のみで乗っている。あまり飛ばさなければ、飛び石も気にならない」

とのことだった。森さんいわく、実用ゼロのクルマだけれど、軽量コンパクトなボディとエンジンは、キビキビ走って面白いという。その感覚はゴーカートにも似ていて、振り回して走ったりしないが、ワインディングで気持ちよく流しながら走れる。しかも、ポテンシャルはそうとう高いため、アベレージ速度も高く、あらゆる面でゆとりを持った走りを楽しめるという。

最後に森さんは、今後についてこう話してくれた。

「人生最後のスポーツカーとしてこのRE雨宮ウエストフィールドREセブンを大切に維持し、気の向くまま乗り続けます」

ロータリーサウンドを吐き出しながら走るウエストフィールドは、チューニングフリークにとってその排気サウンドを聞いた瞬間に思わず振り返ってしまうほどインパクト高めの衝撃的なマシンであった。

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