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クルマが水没後すぐにエンジンを掛けても良い? 修理代はどうなる? もしものときの対処法をお教えします

室内フロア以上に浸水したものは冠水車扱いになる

豪雨が予想される場合はあらかじめ移動させる

梅雨の季節がやってくると、心配なのがゲリラ豪雨や台風です。集中豪雨は水害を招き、さまざまな被害を起こします。クルマが水に浸かってしまった場合にどのような対応をすれば良いのかお伝えしていきます。

水没したクルマには触れない

大型台風や線状降水帯、ゲリラ豪雨など、これらが引き起こす水害で、アンダーパスや河川敷などに取り残されたりして、クルマが水没するケースが増えている。2023年9月の台風13号の際には、千葉県と茨城県で620台の水没が報告されている。年間では、10万台を超える冠水車が発生する年も珍しくない。不幸にもクルマが水に浸かってしまった場合、どうすればいいのか……。

国土交通省のホームページには、<浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ>として下記のように書かれている。

水に浸った車両は、外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがあるため、以下のように対処する。

1:自分でエンジンをかけない。

2:使用したい場合には、購入した販売店もしくは、最寄りの整備工場に相談。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載しているため、むやみに触らない。

3:なお、使用するまでの間、発火するおそれがあるため、バッテリーのマイナス側のターミナルを外す。

※外したターミナルがバッテリーと接触しないような措置(テープなどで覆う)。

またホンダのホームページには<浸水・冠水した場合の対処法>と題し、下記のように書かれている。

・一般的なガソリン車が浸水・冠水した場合、道路の水が引いたからといってエンジンをむやみにかけない。

・エンジンの吸気系に水が入ってしまっていると、エンジンをかけたときにエンジン自体が壊れてしまう可能性がある。

・通行の妨げになるなどの理由で、やむを得ずクルマを移動させなければならないときには、シフトレバーをニュートラルにして、手で押して移動する。すぐにHonda販売店に連絡し、その後のクルマの処置について確認。

・また、ハイブリッドカーや電気自動車などの高電圧バッテリーは、設計上様々な対策を施しており、冠水しても感電の危険はない。災害に遭ったクルマの対応についてはHonda販売店にご連絡を。

と明記されている。

車種や被害によっては下取りも値がつく

つまり、クルマが冠水してしまった場合、ガソリン車、ディーゼル車は、水が引いてもエンジンをかけないこと。ハイブリッド車、EVは、パワースイッチをONしたり、充電をしたりしないこと(車体が破損している場合は、クルマに触れないこと)。

これらを守りつつ、JAFなどのロードサービスを手配して、整備工場に運んでもらい、点検と修理の見積もりをお願いしよう。あわせて、車両保険に加入していれば、保険会社にも連絡を。

なお、一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準では、「集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、または、その痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの」を「冠水車」と定義し、冠水車である旨が判明した場合は、売買する際、その旨を表示して取引することが定められている。

というわけで、冠水車=全損=査定ゼロというわけではなく、車種や被害によっては、下取りもつくし、修理も可能だ。

修理の目安としては、水に浸かったのがフロアカーペットまでなら、被害はわりと軽症なので、一式整備してもらって乗り続けるのもあり。シートの上まで水に浸かってしまったとなると、おそらく全損扱いとなる。車両保険は全額下りるので、他のクルマに買い換えるか、保険金で修理費用がカバーできるのなら、冠水車の修理に実績のある整備工場に依頼し、直してもらう。

いずれにせよ、クルマが水に浸かったら、まずはロードサービスを呼んで、整備工場(できるだけ電気関係に強いところ)に運んでもらい、症状を確認。プロのアドバイスを受けること。

そして、大雨、豪雨が予想される場合、あらかじめクルマを高台に避難させておくことも重要だ。日頃から地域のハザードマップを見て、浸水の危険があるところ、低地には近づかないように気をつけてほしい。

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