好きなパーツを詰め込んだ理想のハコスカ
「ハコスカ」といえば、旧車好きであれば誰もが一度は憧れると言っても過言ではないほど人気のクルマです。そんなハコスカに憧れ続け、ついに念願かなって愛車として日産「スカイライン2000GT」を迎え入れたという山本さん。そんなオーナーがあえてノーマル仕様のこのクルマを選んだ理由とは?
スカイライン好きが長年探し続けたノーマルの2000GT
毎月第3日曜日の早朝に東京の奥多摩湖に集まる旧車たち。そんな奥多摩の駐車場で出会った気になる1台にフォーカス。今回は大好きなパーツを使って作ったオーナー理想の「ハコスカ」を紹介しよう。
オーナーの山本さんが今から12年前に入手したハコスカは、1971年式の日産「スカイライン2000GT」だ。以前は「鉄仮面」(R30型のスカイライン)に乗っていたそうで、その当時からずっと箱スカは憧れの存在だったという。そんな山本さんが手に入れた念願の1台というわけだ。購入時は基本的に程度の良いノーマルだったというボディは、純正のホワイトだったそう。そのボディは、外側を一度ペイントされているものの、エンジンルームなどにオリジナルペイントが残る、なかなか良いコンディションだ。
ハコスカのカスタム車両は旧車のイベントでは数多く見かけるが、そんな中からあえてこの車両を選んだのには、ちゃんと理由がある。山本さんの説明を受けながらボディ各部を見ていくと、とにかくマニアックなディテール満載なのだ。
大好きなサーフィンラインを切らずに残しているのがお気に入りポイント
エンジンルームを開けると、L28改3Lで、キャブレターはSOLEXのφ44mmを3連装と、チューニングとしてはごく一般的なスカイラインの王道メニュー。そして足まわりは車高調を組み込んで低いスタンスに。ホイールは14インチでワタナベの8スポークなのだが、ここからが他のスカイラインカスタムと違う点だ。山本さんはあえてリアにR仕様のオーバーフェンダーを装着せず、サーフィンラインを残してフェンダー内にホイールを収めているのだ。
「2000GTには、ちゃんと2000GTの良さがあるんです。だから簡単にフェンダーをカットしてR仕様にしちゃったら、もったいないじゃないですか。サーフィンラインはGT-Rにはない2000GT最大の特徴ですからね」
大好きな年式のパーツを装着して自分だけの最高のハコスカを作る
他にもフロントグリルは1970年式用の通称「45グリル」に、フロントウインカーはフラットレンズにメッキ枠が備わる1969年式用の「44ウインカー」、そしてテールランプはワンピースの「44テール」、バンパーに備わるゴム製のオーバーライダーも1970年式用と、年式にとらわれず、車体には山本さんのお気に入りの年式のパーツを装着しているのだ。
さらに山本さんは前期モデルの木目のダッシュに変更すべく、現在パーツ収集をしてる最中。ダッシュは入手済みで、現在センターコンソールを探している最中だそう。全て揃ったらダッシュまわりも前期モデル化する予定だそう。スカイライン好きが高じて各年式のパーツ変遷にも精通した山本さんだからこその楽しみ方といっていいだろう。
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