映画で共演して以来の再会で語ったこととは
マーシー・サッチャー役を演じたエイドリアン・バーボーとジル・リバーズ役を演じたタラ・バックマンは映画で共演して以来直接会っていなかったが、インタビューでは彼女らの記憶が蘇り、このように話した。
「当時のランボルギーニは年間50台あまりしか生産していなかったこともあり、2人とも撮影が開始するまでランボルギーニを見たことも、ましてや運転したこともなかったわ」
また、エイドリアン・バーボーは、このようにコメントした。
「私はこのクルマを見てすぐに美しいと思った。私たちは最高のクルマに乗っていて、間違いなく最も美しかったわ」
タラ・バックマンは、このように付け加えた。
「カウンタックには勝者の風格があり、他のどのクルマも勝てなかったと思う。そして、オープニングのシーン、あのサウンドトラック、そしてカウンタックが疾走し、パトカーとかくれんぼをする姿。カウンタックだからこそ、これだけの影響をもたらす作品になったのでしょう」
「この映画が伝説的な地位を得ると予想していたか?」という質問に対し、2人はこう答えた。
「私たちだけでなく、誰もが成功を予想していなかったでしょう(笑)。サインを求められるようになるまで、この映画がどれほど成功したのか、まったく気づかなかったわ。ホラー映画で俳優として成功し、アニメ『バットマン』でキャットウーマンを演じているにもかかわらず、人々は何よりもカウンタックのモデルカーにサインを求めてくるの」
AMWノミカタ
2024年は伝説の自動車漫画『サーキットの狼』が週刊少年ジャンプで連載を開始して、ちょうど50年目にあたる。この漫画に端を発し、日本では1970年代の後半にスーパーカーブームが起こり、カウンタックはその美しさや最高速度300km/hと謳われた桁外れなパフォーマンス、そして見たこともないシザーズドアのギミックなどで、日本中のすべての子どもたちを虜にした。
映画『キャノンボール』はオープニングで小高い音を響かせながらカウンタックLP400Sが疾走するシーンからはじまる。シザーズドアが開き道路標識にスプレーで「X」印を書くシーン、そしてパトカーとのバトルで圧倒的な加速を魅せるシーンなど、このオープニングの3分間でランボルギーニの魅力のすべてが描かれている。もしかするとアメリカでは、この『キャノンボール』が日本の『サーキットの狼』と同じ役割を果たしたのかも知れない。
いや、熱狂したのは子どもたちだけではないのだろう。アメリカ議会図書館に登録されたことからも、カウンタックLP400Sはアメリカの歴史、社会、伝統にとって極めて重要な存在となったのだ。