「グラントゥーリズモ トロフェオ」はエレガンスとスポーティさを走りの面でも実現
次に乗ったのは「グラントゥーリズモ トロフェオ」。ベーシックなカタログモデルと「A6 1500」のデビュー75周年記念限定車「グラントゥーリズモ トロフェオ75thアニバーサリー」にも試乗した。スペックは共通で最高出力550ps、最大トルクは650Nmを発揮し、潤滑システムは一般的なウエットサンプとなっている。組み合わせるトランスミッションは8速ATだ。
何よりもマセラティらしいエレガントかつスポーティなスタイリングが魅力的。エンジンをできる限り車体の中心に寄せたフロントミッドシップレイアウトを採用し、前後重量配分は52:48となっており、ドライブしていてもバランスのよさが伝わってくる。エレガントかつスポーティであることを、スタイリングのみならず走りの面でも実現している。
「グレカーレ トロフェオ」は想像していた以上にスポーティな仕立て
「グレカーレ トロフェオ」は、グレカーレのラインアップにおける最上級グレードとなる。今回試乗した3モデルの中では最も控えめな(といっても500psオーバーだが)最高出力530ps、最大トルクは620Nmを発揮し、トランスミッションは8速ATだ。日常生活は3000rpmまであればすべてが事足りると思うが、その気になればネットゥーノは6500rpmまできっちり回る。
ポルシェ「マカン」のライバルと目されるだけあって想像していた以上にスポーティな仕立てとなっており、ステアリングの操作に対して車体が素直に反応し、適度なロールをともなってコーナーを曲がっていく。背の高いSUVだけれどサーキットでも楽しく走ることができる。
さまざまな仕様に対応するフレキシブルさを持ち合わせる
驚くべきは、このネットゥーノは出力やトルクだけでなく、潤滑システム、駆動方式、トランスミッションなど、ミッドシップで後輪駆動のスーパースポーツから、フロントエンジンでAWDのSUVなどさまざまな仕様に対応するフレキシブルさを持ち合わせている点だ。
マセラティは今2028年までに全ラインアップを完全に電動化すると公表しており、もしかすると最後の自社製内燃エンジンになるのかもしれない。「ネットゥーノ」は、今のうちにしっかりと味わっておきたいと感じさせてくれるエンジンである。