峠道のルート66に並んだ白×黒のサイン
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かい、ついにカリフォルニア州に突入。今回は、ルート66を象徴する「ロードサイン」のなかでも絶対に見逃せない激レア物件を紹介します。
長大なルート66全線のなかでも、見られるのはここだけ
路上に描かれた「ルート66」のサイン。旅をする人にとっての道標であり撮影の対象としても非常に魅力的だが、カリフォルニア東部のカホン峠には絶対に見逃せないロードサインがある。場所はインターステート15号線の出口でいうと129番、クレッグホーン・ロードで下り少し西へ走ったあたりだ。
そこにあるのは白と黒の背景にお馴染みのロゴを描いたサインで、このような並びとデザインはルート66の全線でもここひとつだけ。ロゴだけの切り抜きが並んでいるのは各地でよく見るし、背景ありのサインも決して多くないけどあることはある。でもここと同じシチュエーションはルート変更前も含め、私の5回におよぶ全線走破のなかでもまるで記憶がない。
描かれた年代は不明だけど交通量が少ないからかコンディションもよく、渋滞したインターステートの迂回路になる朝夕の通勤時間帯を除けば、あえて古いワインディングを選ぶクルマは少ないため撮影もしやすい。さらにロサンゼルス中心部から約1時間と、ちょっとしたドライブ感覚で足を運べる。夕暮れは夕暮れで焼けた空とのコントラストが見事で、私もロサンゼルス滞在中は間違いなく何度か赴く場所だ。
また白黒のロードサインが描かれた場所の横には、今よりさらに古いルート66の路面が残されている。そこにも何十年という歳月を重ねて味わいを増した、古いサインがあるのでファンなら忘れずに見ておこう。
カホン峠にはそのような場所がいくつかあり、ほとんどは封鎖されておらず立ち入りが可能だ。ただしメンテナンスされているはずはなく、ガラスが散乱していたり落石もあるので、路面や崖の様子には十分に気を配るべし。