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世界中で270万台の大ヒット! メルセデス・ベンツ「W123」シリーズは「Sクラス」のコンポーネントを受け継いで多様性に応えた傑作でした

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG/Mercedes-Benz Museum/TSUMATANI Collection

  • W123のEクラス
  • W123にはセダン、クーペ、ワゴンが用意された
  • 特徴的なW123のリアスタイル
  • スタイリングは比較的若い層を狙った装い
  • 1977年3月にはスポーティでエレガントな4人乗りクーペが登場
  • 1977年3月にはスポーティでエレガントな4人乗りクーペが登場
  • 1977年3月にはスポーティでエレガントな4人乗りクーペが登場
  • 1977年9月には7人乗りステーションワゴンが登場
  • 1977年9月には7人乗りステーションワゴンが登場
  • ホイールベースを630mm延長したロングホイールベースリムジン
  • ホイールベースを630mm延長したロングホイールベースリムジン
  • ロングホイールベースを架装した救急車も発表
  • 耐久性のあるディーゼルエンジンを搭載したW123はタクシーでも活躍
  • ヘッドライトは4気筒モデルが丸型4灯式、6気筒モデルは横広の角型
  • ロンドン~シドニー・マラソンラリーで優勝したアンドリュー・コーワンとアンソニー・フォークスのチームと280E
  • ロンドン~シドニー・マラソンラリーで優勝したアンドリュー・コーワンとアンソニー・フォークスのチームと280E
  • 優勝したカーNo.33の280Eはメルセデス・ベンツミュージアムに展示されている
  • 優勝したカーNo.33の280Eはメルセデス・ベンツミュージアムに展示されている
  • ボディは前後衝撃吸収式構造と客室は頑丈なセーフティセル構造
  • 「ESEM」の設計システムにより各ルーフピラーの特殊な組み合わせ方や傾斜角度を算出してデザインされて角張ったライン、巨大なリアルーフオーバーハング、急傾斜のリアウインドウ、ボディ周りのラバーパネルなど未来的なビションも含まれていた
  • 「ESEM」の設計システムにより各ルーフピラーの特殊な組み合わせ方や傾斜角度を算出してデザインされて角張ったライン、巨大なリアルーフオーバーハング、急傾斜のリアウインドウ、ボディ周りのラバーパネルなど未来的なビションも含まれていた
  • オフセット衝突テストを行ったクーペ
  • 90度バンク高速走行のテストシーン
  • 90度バンク高速走行テスト風景。写真は左からW123、C111-II、C111-III
  • 悪路区間テストの様子
  • 貯水池テストの様子
  • 1977年3月発表の2ドアクーペはBピラーがない代わりにAピラーとCピラー、ルーフを強化した
  • 2ドアクーペはBピラーがない代わりにAピラーとCピラー、ルーフを強化した
  • 2ドアクーペはBピラーがない代わりにAピラーとCピラー、ルーフを強化。写真はシートベルト装備
  • 1977年9月発表のステーションワゴンは自動ハイドロリックニューマチックレベルコントロールを標準装備
  • ステーションワゴンはファミリー向けのライフスタイルとレジャーカーとしての基準を示した
  • ステーションワゴンはファミリー向けのライフスタイルとレジャーカーとしての基準を示した
  • ステーションワゴンはファミリー向けのライフスタイルとレジャーカーとしての基準を示した
  • ステーションワゴンはビジネスのライフスタイルとレジャーカーとしての基準を示した
  • サービス店用車として各地の出張サービスでも活躍
  • サービス店用車として各地の出張サービスでも活躍
  • ラゲッジスペースは通常のポジションで523L、後部座席を折りたたむと879L
  • リアウインドウワイパー&ウォッシャーは標準装備し、リアの視界も充分確保
  • ルーフレールは標準装備しラゲッジラック、ラゲッジコンテナー、スキーボックスを取り付け可能だった
  • 気配り設計のメルセデス・ベンツ独自の救急箱は、ハットセルフに格納し、手が届きやすい位置にセットされた
  • W123シリーズの総生産台数は1975年から1986年にかけて約270万台。写真はセダン生産のジンデルフィンゲン工場
  • W123シリーズの総生産台数は1975年から1986年にかけて約270万台。写真はステーションワゴン生産のブレーメン工場
  • 正面衝突テストを行うセダン
  • スタイリングは比較的若い層を狙った装い
  • ボディはもちろん前後衝撃吸収式構造と客室は頑丈なセーフティセル構造を持ち、ロングホイールベースとワイドトレッドが特徴である
  • ボディはもちろん前後衝撃吸収式構造と客室は頑丈なセーフティセル構造を持ち、ロングホイールベースとワイドトレッドが特徴である

W123の魅力を振り返る

メルセデス・ベンツ史上、初代「コンパクトシリーズ」としてモダンでファミリー層に人気を博したのが「W114/115」でした。このコンパクトシリーズの2代目である「W123」シリーズは、「最善か無か」というクルマづくりの哲学に基づき合計約270万台が生産され、メルセデス・ベンツ「Eクラス」史上のヒット作となったのです。その魅力を紹介します。

セダンやワゴン、クーペなどバリエーションも豊かだった

1976年1月、スリムで軽快なスタイルが与えられた「コンパクトシリーズ」の2代目として「W123」が登場した。1972年の「Sクラス/W116」のコンポーネンツを受け継いで設計されたこのモデルの、がらりと変わったスタイリングは、比較的若い層を狙った装いと筆者は感じた。このW123モデルシリーズの需要は非常に大きく、最初の生産年は発売後すぐに完売し、一部の顧客は納車まで1年も待たなければならなった。しかも当初から非常に人気があり、その再販価格は生産期間中、高いままであった。

W123

1976年9月に『mot auto-journal』誌は「200D」に関する予測を発表し、「これほど低い減価償却費を誇るクルマはほかにない」と報じた。耐久性のあるディーゼルエンジンを搭載したW123はタクシーで活躍した。

多様性はこの世代の重要な特徴であった。1976年1月に発表されたセダンに続き、1年後の1977年3月にはスポーティでエレガントな4人乗りクーペ(C123)が、1977年9月には7人乗りステーションワゴン(S123)、そしてホイールベースを630mm延長したロングホイールベースリムジン(7/8人乗り)を次々と発表。加えて、ロングホイールベースを架装した救急車も発表している。

とくに、1976年1月にセダンが専門メディアに発表された際、メルセデス・ベンツは55psから177psまで9種類のエンジンを用意。ガソリンエンジンは4気筒の200/230、6気筒の250/280/280E、ディーゼルエンジンは4気筒の200D/220D/240D、そして画期的な5気筒の300Dであった。

南フランスでのメディア試乗会では、異なるエンジンとトリムラインを備えた33台のテスト車両すべてをコートダジュールに輸送するため、メルセデス・ベンツは当時のドイツ連邦鉄道から特別列車をチャーターするという熱の入れようであった。

日本にも導入され人気を博す

日本に輸入された当初の1977年モデルは、昭和51年(1976年)排出ガス規制適合車となった230、280E、240D、300Dであった。全長4725mm×全幅1785mm×全高1440mm、ホイールベースは2795mmで、先代のW114/115より全長で+45mm、全幅は+15mm、ホイールベースが+45mmとわずかに大きくなった。

ラジエターグリルを一層横広にしてスマートになったフロントスタイルは、のちに数々のデザイン賞を一手にさらった。ヘッドライトは4気筒モデルが丸型4灯式、6気筒モデルは横広の角型だった。当時は、丸型の4気筒モデルを角型ライトに変えるのが流行した。

しかし、1977年9月28日に開催されたロンドン~シドニー・マラソンラリーで280Eが優勝。この280Eが標準の角形から変更し4灯式ヘッドライト+ドライビングライトを装着していたため、それがかなりカッコいいと、角形へ交換していた4気筒の顧客はみな慌てて丸型へ戻したというエピソードが世界中で聞かれたものだった。アンドリュー・コーワンとアンソニー・フォークスのチームが優勝し、2位、6位、8位の4台がトップ10にランクインした。ちなみに優勝したゼッケン33の280Eは、メルセデス・ベンツミュージアムに展示されている。

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