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車内の子ども置き去りは永遠になくならない!?…BYD「シール」の「幼児置き去り検知システム」を見て思うこと【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: BYD

  • シールのフロントマスク
  • 幼児置き去り検知機能の概要
  • BYDシール:リアは迫力あるディテールを採用
  • BYDシール:フロントバンパーにはBYDのロゴ
  • BYDシール:存在感のあるスタイリング
  • BYDシール:広々とした視界のインパネ
  • BYDシール:大画面モニターによりカーナビも快適
  • BYDシール:速度表示なども大型モニターに
  • BYDシール:ミリ波レーダーが搭載されるルーフ
  • BYDシール:個性的なフロントマスクを採用している

車内で子どもが亡くなる事故はなくならない……

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「車内の子ども置き去り」についてです。真夏日なのに車内へ子どもを置き去りにし、脱水症状などで亡くなってしまうという悲しい事件は毎年のように発生しています。こういった悲しい出来事が繰り返されないよう、自動車も対策が進んでいます。注目の電気自動車に搭載された機能とは?

話題の新型EV、BYDシールに搭載された機能に注目

まったく世も末になったものだとつくづく嘆きたくなります。

「パチンコをしていたので子どもの異変に気が付かなかった」

「猛暑日で子どもが脱水症状になった」

聞いているだけで怒りが込み上げてくる悲惨なニュースが後を絶たないようです。

BYD「シール」は、そんな事件を未然に防ぐ起爆剤になるかもしれません。

好調な販売成績を収めているBYDにとっての、日本導入3車種目の刺客は、正統派のセダンとして姿を現しました。もはや中国製電気自動車の代名詞としての地位を確立したBYDではありますから、新型シールが高性能な電気自動車であることは予想通りですが、販売面でSUVに最上級車の座を奪われつつあるセダンで登場したことは意外でしたね。

そんなシールの装備で驚かされることがあります。カーナビゲーションや運転支援装置などが充実していることは当然ですが、その中に「幼児置き去り検知システム」というネーミングの機能が用意されていたことに目を奪われたのです。

室内の2カ所にミリ波レーダーが組み込まれており、それは天井の前方と後方に設置されています。そのセンサーがキーロックをしたのちに車内で何かが動いたと感じ取ると、それを幼児の置き去りとして判断。前後のライトを点滅させると同時に、ホーンを鳴らして周囲へ異常を知らせるというのです。

シールのルーフ

動くものには反応するから、幼児だけではなく愛玩動物にも反応してしまう。そのため、機能を解除することも可能。ともあれ、そうまでしなければ幼児置き去りが減らないのか……。まったく悲しい世の中になったものである。

欧州やアメリカでは当たり前の装備に

しかもこういった機能は、BYDが初めてではないというから、不幸な時代になったのかもしれません。すでにボルボにも採用実績があるといいますし、欧州でも安全性能評価基準の項目に組み入れています。アメリカでも近々義務化されるとのことです。

子どもを車内に残して用を済ませたい場面がないとは言えないのは想像ができますが、かといって本当に幼児を置き去りにしてクルマから長時間離れる人が減らないのは理解に苦しみますね。「パチンコをやっていたから」であったり「友人と喫茶店で話をしていたからうっかり」など、幼児の命を奪うような所業は減る気配がない。まったく言語道断ですが、そんな人間の心をどこかに置き忘れたかのような人たちのために、こんな機能が必要になり、義務化されなければならないことが残念です。

ともあれ、シールの機能が大切な命を守ってくれるのであれば、それは歓迎されるべきことかもしれません。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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