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世界限定500台の特別なアルファ ロメオ「ジュリアGTAm」がおよそ2700万円で落札…もう少し寝かすと価値が上がりそうな物件です

16万1000ユーロ(邦貨換算約2720万円)で落札されたアルファ ロメオ「ジュリアGTAm」(C)Courtesy of RM Sotheby's

わずか500台だけの特別なジュリア

2024年5月10日、RMサザビーズがモナコで開催したオークションにアルファ ロメオ「ジュリアGTAm」が出品されました。合計でわずか500台のみが生産されたジュリアのGTA/GTAm。エスティメート(推定落札価格)は15万~20万ユーロ(邦貨換算約2560万円〜約3420万円)に設定されていましたが、あくまでも目安にすぎず、最低落札価格は設定されていませんでした。

日本仕様の新車価格は2198万円

アルファ ロメオのファンにとって、1965年に発表された「ジュリア スプリントGTA/GTAm」は、やはり特別な存在といえるモデルだろう。そもそもGTAとは、「Gran Turismo Alleggerita(グランツーリスモ アレジェリータ)」の頭文字を意味する。アレジェリータとは軽量化を意味し、さらにGTAmの「m」はモディファイド、つまりGTAをさらに高性能なマシンに仕上げるためにさまざまな軽量を施したことを物語っている。

そのジュリア スプリントGTA/GTAmが現代に復活したのは2021年のこと。ベースとなったのは、フロントフェンダーに備えられるバッジが物語るとおり、「ジュリア クアドリフォリオ」で、そもそも高性能グレードとして存在したクアドリフォリオを、アルファ ロメオやそれに関係するエンジニアが、いかにより魅力的なモデルに仕上げるのかには大きな興味が集まった。そして彼らがその期待を裏切らなかったことは当然の結果だったのだ。

今回RMサザビーズのモナコ・オークションに登場したモデルは、より軽量化を進めるなど徹底的なチューニングを施した2022年式のGTAm。エスティメート(推定落札価格)は15万~20万ユーロに設定されるが、それはあくまでも目安にすぎず、最低落札価格は設定されていない。オークションの経緯によっては、意外にリーズナブルな価格でそれを手に入れることさえも可能なのだ。ビッター(入札者)の注目度が高まるのも当然のことといえるだろう。参考までに新車時の価格は、日本仕様では2198万円(約17万ユーロ、当時の為替レートによる)。コレクターズアイテムとしては、まだまだ目が離せないオークションであることは確かだ。

軽量化がチューニングの第一の目標というだけあって、GTAmにはGTAよりもさらに徹底したボディまわりのモディファイが施されている。伝統のグリル・デザインはそのままに、ここから冷却用の新鮮なエアを取り込む効率的な形状を実現。リアには4段階に角度を変化できる大型のウイングが装着されるが、それをはじめサイドスカートや長さを2段階に調節できるフロント・スプリッターなどが、いずれもカーボン素材を用いて成形、装着されている。

GTAと比較しても50kgの軽量化を実現

アップグレード・キットは「ザウバー・エアロキット」と呼ばれるが、これはF1での活動を通じて密接な関係にある、スイスのザウバー・モータースポーツによって開発が進められたことに由来する。フロントのスプリッター、リアのウイングの長さと角度を変化させることで、車体の安定感の違いを体感できるのは、特にサーキット走行の機会が多いユーザーには魅力的な体験といえるだろう。

インテリアでは、リアシートが取り外され、さらなるボディ剛性を得るためにロールバーを装備。リアシートがあった位置にはヘルメットホルダーも設けられている。内装にはサベルト製のスポーツシートを含め、カーボンやアルカンターラといった、こちらも軽量素材が多く使用され、結果GTAmは、ノーマルのジュリア クアドリフォリオに対して100kg、GTAと比較しても50kgの軽量化を実現することに成功しているのだ。

フロントに搭載される2.9L仕様のV型6気筒ガソリンターボエンジンの最高出力は540ps。これはジュリア クアドリフォリオに対して30ps増の数字で、コンロッドの新設計やピストン・オイルジェットの追加など、こちらも独自のチューニングが行われている。官能的なサウンドを奏でるエキゾーストシステムは、アクラボヴィッチ製のチタン・エキゾーストだ。センターロック式の20インチ径ホイールや、前後それぞれ50mmが拡大されたトレッドなど、ほかにも数々のチューニングが施されたGTAm。注目のオークションは16万1000ユーロ(邦貨換算約2720万円)での落札となった。ビッターにとっては非常にお買い得だったオークションといえたのではないだろうか。

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