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駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: photo AC

  • 出先の駐車場では前向き駐車と後ろ向き駐車、どちらで駐車すべきか判断に迷うときもある
  • 海外では通路の幅が広く、前向き駐車をするクルマが多い
  • 日本の駐車場は狭いので、出るときのことを考えて後ろ向き駐車のほうがいい場合もある
  • 国家公安委員会が告示する「交通の方法に関する教則」では後ろ向き駐車が推奨されている
  • コンビニの駐車場では前向き駐車が多くなった。店舗側からの駐車の向きについて指示があればそれに従うようにしよう

究極の二択の最適解とは?

運転中にはさまざまなシチュエーションで、その都度判断をしなければならない問題が数多くあります。とくに道路交通法で決まっているわけではない問題については、その人の常識や価値観、もしくは世間一般の傾向や、ほかの人たちのやり方に照らし合わせて自分なりに判断を下すこともあるでしょう。今回はそんな選択問題のなかから、出先の駐車場での駐車の向きについて。前向きで停めるべきか、後ろ向きで停めるべきか迷う問題について解説します。

駐車場のつくりによってお国柄が出る?

運転していれば毎日のように使う機会がある駐車場。地域にもよるが日本は圧倒的に後ろ向き、すなわちバック駐車が多いといわれている。しかしアメリカなど海外ではヘッド・イン・パークと呼ばれる、前向き駐車がスタンダードであり、日本の方式は少数派のようだ。最近はコンビニなどで前向き駐車を指定する看板を見るが、クルマを停める向きには一体どんな理由があるのだろうか。

たとえばアメリカはフロントへのナンバープレート取り付けが必須じゃない州もあるが、リアは必須なので警察がパトロールする際に犯罪に使われたクルマを探しやすかったり、盗難されて逃げるときの初動が後ろ向き駐車より遅いなどその国ならではの事情がある。

もうひとつは駐車場の作り。筆者はアメリカの田舎から大都市の中心部まで何度となく走っているが、個々の駐車スペースはともかく通路は明らかにアメリカが広いように思う。そのためバックで出庫するときも日本ほど神経を使わず、全国的に前向き駐車の習慣が根付いたような気がする。

じつはバックでの駐車が推奨されている?

さて、改めて日本の後ろ向き駐車について考えてみよう。まずは前述した通路の広さ。ただでさえ狭くて切り返しを必要とする場合があり、他のクルマが行き交っていれば接触のリスクも増す。ちなみに国家公安委員会が告示する「交通の方法に関する教則」では、第5章の第1節「安全な発進」の(3)に

「バックで発進することは危険ですから、車庫などに入れるときは、あらかじめ発進しやすいようにバックで入れておきましょう」

と記載されている。

ナンバープレートも日本は前後に掲示が必要だし、車両の盗難に関しても海外に比べればマシなほう。これらの事情から欧米に追従せず、後ろ向き駐車が定着したのだろう。また近年はバックカメラやコーナーセンサーの装備が増え、クルマによっては駐車をアシストする機能も付いている。アナログだった昔より後ろ向き駐車が楽になっているのも事実だ。

前向き駐車を指定する施設の事情とは

では一部の駐車場が前向き駐車を指定する理由は果たして何なのか。そのような看板を見たら周囲のロケーションを確認してみよう。おそらくすぐ背後に民家や別の店舗などが隣接しているはずで、排ガスやマフラーの音などに起因するトラブルを未然に防ぐため。また前向き駐車と併せてエンジンの停止をお願いするケースもあり、近隣の住人や施設に対する配慮であることは明らかといっていい。

店舗が指示する駐車する向きは「お願い」の域を出ず法的な拘束力があるわけでもないが、上記のような事情を鑑みれば素直に従うのがドライバーとしてのマナーでありモラル。駐車場では周囲の安全と同時に向きが指示されていないかを確認し、店舗の意向に沿いつつ気持ちよく利用できるようにしたいものだ。

結論としては駐車場の環境を考えれば後ろ向き駐車が楽、ただし施設の指示があるときはそれに従って前向き駐車。運転のテクニックと併せて周囲に目を配る気持ちの余裕も身に付けよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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