フィアット「500」と「500C」の日本向けモデルが生産終了
ステランティス ジャパンがフィアットの人気コンパクトハッチバック「500」と同車のオープントップバージョン「500C」の日本向けモデルの生産を2024年5月で終了したと発表しました。これにより、正規ディーラーの取り扱い在庫がなくなり次第、国内での販売は終了となります。この生産終了は、ステランティス グループのグローバル戦略の柱となる電動化推進によるものです。
国内累計販売台数は約13万台を記録した
フィアット「500」は1957年に登場した不朽の名作である2代目「500(チンクエチェント)」、通称「ヌォーヴァ500」の系譜を継ぐ21世紀のコンパクトカーとして、ヌォーヴァ500誕生からちょうど50年後の2007年にイタリア本国で発表された。
ロベルト・ジョリートがデザインを手がけ、2代目500のデザインを引き継いだ、かわいらしいスタイルに仕立てられている。たとえば、リアエンジンのためにフロントグリルがなかった2代目と同様にするため、わざわざフロントバンパーの下からエアを吸い込む形状にしたほどだった(2010年のマイナーチェンジでフロントマスクが変更されているが)。
21世紀版「500」は日本にも2008年に導入され、瞬く間に人気モデルに。2010年には2気筒エンジン「ツインエア」の導入や、2011年に発表されたグッチとのコラボレーションモデルをはじめとした多彩な特別仕様車が登場し、国内累計販売台数は約13万台を記録している。さらに2008年には復活した名門チューニングブランド「アバルト」の第2弾として「アバルト500」が登場し、国内にも2009年に導入され話題を呼んだ(アバルト版はのちに「595」、「695」へと発展)。
なお、2022年に日本に導入されたBEV(電動自動車)のフィアット「500e」は販売を継続する。全長で+60mm、全幅+60mm、ホイールベース+20mm拡大と、ガソリンエンジンモデルより大きくなり、前輪駆動の最高出力87kW(118ps)、最大トルク220Nmを発揮するモーターを搭載する。また42kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に備え、一充電航続距離を335kmとしている。
アバルト「F595」と「695」も日本向けモデルの生産終了
アバルトもガソリンエンジンモデル「F595」と「695」の日本向け生産が、2024年5月で終了したことを発表。この2車種も正規ディーラーの取り扱い在庫がなくなり次第、国内での販売は終了となる。2009年より販売されてきたホットハッチは40〜50代のユーザーを中心に人気を博し、2022年には日本が年間販売台数で世界一を記録するほどで、500ベースのアバルトモデルの累計販売台数は約2万8000台にもおよぶという。
創業75周年を迎えた2024年後半からは、2023年に登場したBEVのアバルト「500e」のみ継続する。最高出力114kW(155ps)、最大トルク235Nmを発揮するハイパフォーマンスモデルは、アバルトの象徴であるレコードモンツァのサウンドを忠実に再現したサウンドシステム「サウンドジェネレーター」を搭載し、コクピットに「アバルトサウンド」を轟かせるという。