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英国の自動車博物館ハシゴ旅! 空港でのトラブルを乗り越えて、ジム・クラークが乗った「BRM P83」を見ることができました

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

当初飛行機で訪れるはずのスコットランドにクルマで

大英自動車博物館でボクスホールのヘリテージの取材を終えて、当初の予定からスケジュールを組みなおしてエディンバラのスコットランド国立博物館(National Museum of Scotland)を目指すことにしました。ルートンの取材にもう少し時間がかかると思っていて、この日はルートンに宿をとり、翌日から3日間の内に飛行機でエディンバラに飛ぶ予定にしていたのですが、ゲイドンまでクルマで移動したためにエディンバラへの道程は約330マイル(約530km)。どこか途中で宿をとればそんなにハード(過酷)でもないだろうと決断したのです。

そこで240マイルほど走ってスコットランドのグレトナ・グリーンでサービスエリア内にあるモーテルに投宿。結果的には翌日、エディンバラの国立博物館からグラスゴーにあるリバーサイド博物館に回り、その日もモーテルに連泊でした。

スコットランド国立博物館での目的は、ジャッキー・スチュワートがドライブしたティレルの初号機、「001」でした。しかしインフォメーションデスクで聞いたところ、スチュワートさんが持ち帰られた、とのことでご対面ならず。スチュワートとジャガー、そしてレッドブルの3段重ねの写真を撮り早々に引き上げました。

カイスター城自動車博物館のスケールの大きさに驚かされた

そして訪れたのがグラスゴーにあるリバーサイド博物館(Riverside Museum)です。クライド川の港に面したエリアに、2011年に移転オープンした博物館は、その展示内容よりも建屋で注目を集めています。というのも日本の新国立競技場の、当初のデザインで話題を呼んだザハ・ハディッドがデザインしたもので特徴的なビルディングは、当地のグランドマークとなっているようです。

その特徴的な建屋内部には新旧さまざまなクルマが収蔵展示され、満足度としてはクルマ好きの期待にも十分なレベルでしたが、壁面いっぱいにクルマを配置したり、スロープの上にクルマを並べたり、と見づらかったのが気になりました。

月曜の夜にグレトナ・グリーンに連泊した後、ヒースローに向かいながら火曜にはレイクランド自動車博物館(Lakeland Motor Museum)を、水曜にはカイスター城自動車博物館(Caister Castle Motor Museum)を訪ねました。

どちらも個人博物館ですが、カイスター城自動車博物館のスケールの大きさには驚かされました。20台前後のクルマが展示された脇の回廊を行って帰って観ていくのですが、展示車両の台数は約200台。それだけでも十分にお腹いっぱいでしたが、個人的にはジム・クラークが1966年のアメリカGPで勝ったBRMのH16エンジンや、同エンジンを搭載したBRM「P83」を見ることができ、とても感動。次回はヒースローからフランクフルトに飛び、クルマで延々走ったヨーロッパ道中記をお伝えします。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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