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「ミウラ」以前のスーパーカーは約2億6000万円で落札! 歴代オーナーの素性がはっきりしたメルセデス・ベンツ「300SL」は高値安定です

「ミウラ」以前のスーパーカーは約2億6000万円で落札! 歴代オーナーの素性がはっきりしたメルセデス・ベンツ「300SL」は高値安定です

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

ディーラーがオーダーした色は赤だった

今回RMサザビーズオークションに登場したモデルは1955年製で、もともとペイントコードDB534と呼ばれたファイアーエンジンレッドという外装色にブラックレザー(954)の内装で、ニューヨークのメルセデス・ベンツディーラーがオーダーしたものだ。

「ガルウイングレジストリー」に記載されている最初のオーナーは、デラウェア州ウィルミントンのセオドア・ソルティス氏。その後、ペンシルベニア州マンハイムのヘンリー・K・ミーリックJr.氏が譲り受ける。彼は後にランカスターのサーブ&ボルボディーラーとなり、当時のクェーカーステート・ヒルクライムの常連でもあった。その後も数名のニューヨーク州のエンスージアストがオーナーとして名を連ねた。

そしてデュッセルドルフのエーリッヒ・レンハルト氏がこのクルマを購入したことで母国に戻ることとなり、彼の元で最初のレストアを受けた。1998年に再びアメリカに戻り、テキサス州マーシャルのスポーツカー・コレクター、ジーン・ポンダー氏が所有。彼は8年間この300SLを所有し、2007年にカリフォルニアの有名なヴィンテージ・メルセデス・ベンツの愛好家、トーマス・タフェット氏に売却、そしてこの10年間はデールトゥドリーム・コレクションで保管されて来たものだ。

デールトゥドリーム・コレクションでは300SLのスペシャリストであるルディ・アンド・カンパニーによってレストアが施され、外装はDB180のペイントカラーでシルバーに仕上げられた。このカラーリングはラルフ・ローレン・コレクションのものと同じである。インテリアもブラックレザーからピッグスキングレイのブラウンレザーに変えられた。

もちろんシャシーとエンジンのナンバーはマッチしており、それだけでなくボディとフロントアクスルおよびリアアクスルもナンバーマッチの確認が取れている。ギアボックスだけはリプレイスされた「003165」というナンバーのものが装備される。現在は最も人気の高いオプションであるレプリカのラッジホイールと、インテリアにフィットするラゲッジセット、それにアンダーカバーのセットが装備されている。

エスティメート(落札予想価格)は、160万ドル(邦貨換算約2億5880万円)〜200万ドル(邦貨換算約3億2350万円)が設定され、実際の競売では、エスティメート下限を少し上回る165万5000ドル、約2億6420万円で売却されたとのことだ。

>>>メルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.220を読みたい人はこちら(外部サイト)

 

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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