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26年間シングルオーナーだったフェラーリ「288GTO」が約6億2700万円で落札! 最低落札なしでもスペチアーレは高値安定でした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
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  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
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  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
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  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
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  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 388万2500ドル(邦貨換算約6億2700万円)で落札されたフェラーリ「288GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's

収集家の愛したフェラーリGTO

新旧の自動車/オートバイにくわえて、オートモビリア(自動車趣味グッズ)に時計、そしてナイキのスニーカーに至るまで、あらゆるジャンルのモノを収集してきたコレクターの愛蔵アイテムが、RMサザビーズ北米本社とのコラボにより、カナダ・トロントにてオークションにかけられることになりました。そのタイトルは、コレクション名をそのまま掲げた「The Dare to Dream Collection」。約300点にも及んだ出品アイテムのなかから、今回は1985年式のフェラーリ「288GTO」を紹介します。

フェラーリの本分を体現した、レースカー仕立ての復活版GTOとは?

1984年に登場したフェラーリ「288GTO」は、その時代のマラネッロを象徴する歴史的遺産。そして当時はポルシェ「959」やランボルギーニ「カウンタック」とともに、世界中のティーンエイジャーたちの憧れの的となっていた。

1982年から施行された「FIAグループB」規約に従ってレースに参戦するため、フェラーリは往年の「250GTO」の1980年代版ともいうべき「GTO」を開発し、同シリーズのホモロゲーションモデルとして200台の生産台数を達成する必要があった。ところが、その完成を待たずしてグループBによるFIAのレース計画は空中分解。せっかく開発されたホモロゲーションカーには、参戦する公式シリーズがないという状況に追い込まれる。

それでも、フェラーリ史上最強のスーパーカーを体験してみたいというニーズがあったことは明らか。当初は単に「GTO」と呼ばれた288GTOはグリッドに並ばないまでも、フェラーリのファンたちを歓喜させるに相応しいスーパーカーとなった。

エンジンはランチア「LC2」用に開発されたV8を搭載

外観はベースとなった「308GTB」よりも格段にアグレッシブで、ボディワークの大部分はコンポジットとケブラーで形成。ドアやデッキリッドは軽量アルミ製で、その堂々としたフォルムは驚異的なパフォーマンスを予感させるものだった。

もともとはグループCカーのランチア「LC2」用に開発された2855ccのV型8気筒4OHC・32バルブエンジンは、2基のIHI社製ターボチャージャーとともに400psを発生。最高速度は305km/hと謳われ、発表当時は史上最速ロードカーとして称賛を受けた。

この恐るべき高性能に加えて、GTOのインテリアには現代的な装備が数多く採用されていた。ケブラー樹脂製フレームのバケットシートは革張りで、エアコンやパワーウインドウ、AM/FMラジオつきカセットステレオなどもオプションで選択できたが、それ以外にドライバーの集中力を削ぐようなものはなかった。

288GTOの生産台数は272台(ほかに255台説など諸説あり)に留められたが、結果としてハイレベルなコレクターズアイテムとしての希少性が保証され、その後「F40」、「F50」、「エンツォ・フェラーリ」、「ラ・フェラーリ」へと受け継がれ、フェラーリの現代の伝統である限定ハイパーカーの始祖として認識されるようになった。

フェラーリ ディーノ156F1とともに1961年のF1世界王者となった伝説のレーシングドライバー、フィル・ヒルも新型GTOに感銘を受けたことについて、1984年8月号の米『Road & Track』誌で明かしている。

「GTOのパワーと卓越したコントロール性は、私がこれまで経験したどのマシンと比べても同等かそれ以上。路面でのグリップは驚異的で、スピードが上がるにつれて明らかに向上する。フェラーリがF1で力強く戦っているのを見るのは嬉しいが、彼らが真の競争力を持つグラントゥリズモカーを再び手に入れたことを嬉しく思う。そもそもフェラーリGTOという名前には、そういう意味があるのだから……」

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