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2024年6月29日~30日に行われた伝統のスパ24時間レースを取材した筆者。ル・マン24時間レースと同様、決勝前に行われるパレードランは、ル・マンとは違ってレースファンにはたまらない趣向となっていました。スパ24時間レースのパレードランの様子をお届けします。
レーシングカー好きにはたまらないひととき
スパ24時間レースは、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットからスパ市内までの片道約10kmの道のりのパレードランから始まります。パレードと言っても、ル・マンのようにオープンカーの後部席に乗って手を振るパレードではなく、スパ24時間レースのほかサポートレースも含めて参戦するレーシングカーやオフィシャルカーなど約280台が、ベルギー警察の白バイに先導されてデモランをするという壮大なものです。
ドライバーがメインというよりは、レーシングカーがメインのパレード。ル・マンのように走りながらノベルティグッズが配布されることはなく、ひたすら爆音のレーシングカーが走り抜けていきます。サイン会やトークショー、ノベルティグッズの配布は町の中心地に到着してから行われるのですが、当日は30℃とものすごく蒸し暑い中、数多くのファンがスパを訪れて楽しんでいました。
2024年はスパ24時間レースが100周年を迎える年とあり、サポートレースではヒストリックカーレースも開催され、往年のマシンも一緒にパレードラン。戦争やオイルショックなど、さまざまな理由で何度か中断はしたものの、2023年に100周年を迎えたル・マンに続いて2024年はスパと、ヨーロッパのレース文化の長い歴史には尊敬しかありません。
スパ市内の中心広場にはパレードランを終えたレーシングカーが集い、ファンはとても身近にレーシングカーを見ることができます。セーフティカーやファイヤーカー(消火活動車両)など、普段なかなか至近距離で見ることができないクルマですし、とくにちびっ子にはこういう働くクルマも人気です。ベルギー警察の白バイはヤマハとBMWの2種類を見かけました。ヤマハはもちろん日本のメーカー、BMWは現在私が住むミュンヘンのメーカーですから、両方とも私にとってはとても身近な存在です。
スパにはその名の通り温泉施設もある
さて、町の名前にもなっている「スパ」は、日本語でも定着しているウェルネス施設の語源なのだそうです。このスパ24時間レースのイベント広場のちょうど後ろには、かなり垂直に見える山肌にエレベーターが設置されていて、毎年ここに来るたびに気になっていました。地元スパ出身の友人に聞いてみたところ、上にはまさしく「スパ」があり、天然温泉(日本の温泉よりはぬるいようです)やマッサージなどのウェルネス施設があるのだそうです。
それは行ってみたい! と思ったのですが、日本のように裸で入るのではなく水着が必要らしく、その場では持っていなかったため行けませんでした。調べてみるとおとな1名で1日券が45ユーロ、3時間券が32ユーロと、お高いですがビックリするほどではないので、来年は行ってみようと思います。マッサージやエステなどのオプションを入れるとどんどん高くなるのでしょうけれど、温泉に浸かってのんびりするなら基本料金のコースでも十分でしょう。
ベルギーはドイツの約10分の1という国土面積ですが、フランス語圏、ドイツ語圏、フラマン語圏があり、私の中ではルクセンブルクやスイスと同様に多言語を話せる語学に長けた方が多いイメージの国です。
ベルギーの一般的なスーパーマーケットでの商品価格はドイツよりも高い印象ですが、ガソリンはドイツよりも約20~30セント(35~52円)安いので、これはとても助かります。