前オーナーによってフルレストア済み
今回RMサザビーズに登場したのもこのクルマだ。KR175からの変更点としては、フィヒテル&ザックス社製の単気筒エンジンがそれまでの173ccから191ccに排気量を拡大したこと。そしてそれに伴ってパフォーマンスも増大し、それまでの9.1psから10.3psに引き上げられた。また、ラバー・トーションサスペンションも改良されて油圧ショックアブソーバーが追加されている。何よりもフロントのトレッドが36.25インチ(約920mm)から42.5インチ(約1080mm)に拡大され、スタビリティが大きく向上していたことが大きい。
トランスミッションは4速。バイクのような構造のトランスミッションのためリバースギアを持たないが、エンジンを逆転させることで後退も前進同様4速となっていた。出品されたクルマは前オーナーによってフルレストアされたもの。美しいウェッジウッドブルーの外装色に赤の内装は非常に良いコンディションに保たれており、状態はまさに最高である。そしてオーナーズマニュアル、メッサーシュミット オーナーズクラブの雑誌とハンドブックが付属しているという。
驚いたことにメッサーシュミットはどのコレクションでも最も人気のあるクルマのひとつだそうで、今回もそのエスティメート(落札予想価格)は5万ドル(邦貨換算約805万円)〜7万ドル(邦貨換算約1130万円)と、この種のモデルとしては非常に高額である。4万台以上が販売されているそうで、その人気からか現在は復刻モデルが新たに生産され、エンジンのみならず、BEVとしても復活している。そんなわけでこのクルマの落札価格は6万7200ドル、邦貨にして約1080万円の値が付いた。