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フィアット「500」を自分だけの仕様でオーダーメイドできる!「チンクエチェント博物館」のビスポークなサービスとは【週刊チンクエチェントVol.40】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)/チンクエチェント博物館(museo 500)

実際にビスポーク・モデルを手掛けてみた!

恥ずかしながら、実は僕が関わらせてもらったビスポーク・モデルというのも、1台、存在している。その名を“アリゼイ”という。チンクエチェント博物館の伊藤精朗代表と話してるときに、何かのタイミングでビスポークについて“おもしろい試みですよね”みたいなことを(たぶん)クチにしたら、まるで“じゃあ御飯でも食べに行く?”みたいな自然な口調で“じゃあ嶋ちゃんも1台やって”みたいな言葉が返ってきて、アイデアを練らせていただくことになったのだ。

すでに椿彩さん作の柔らかくて優しい雰囲気を持つフェリーチェがあって、エレガンスと精悍さと日本文化へのリスペクトが見事に混在した西川さん作のブラックマウスがあって。なので、その次のビスポークはどうあるべきか……? なんて小難しいことを考えたりもしたのだけど、ベースになる予定のクルマを見た瞬間、方向性はほとんどあっさり決まった。

そこからはコロナ渦のときにSTAY HOME企画としてフィアットがお子ちゃま用にサイトを通じて配ってた塗り絵に色を塗りたくってみて、それをベースに博物館の伊藤さんや深津さんと相談したり、“こんなんできますかねぇ……?”と投げてみたり、逆に“ここにはこういうこともできるけど……?”と提案をいただいたり、実作業を担ってくださることになった、カスタマイズの世界では──表に出ることを好まない方なので──知る人ぞ知る存在となってるThe 名人! のところにお邪魔してすり合わせをしてみたり……。

で、できあがったアリゼイは、正統派のチンクエチェント・ファンには思い切りそっぽを向かれるような、だけど誰かしらの世界観──まぁ僕の憧れてる世界ではあるんだけど──をちゃんとチンクエチェントに落とし込むことのできたクルマになった。ビスポークとは究極の自己満足仕様、でもあるのだ。

どうしてこうなった? を文字で説明してもいいんだけど、まるで絵巻物みたいなページになっちゃいそうで、それにおつきあいさせちゃうのは申し訳ないから、博物館のYouTubeでインタビューを受けたときの動画があるので、そっちを見ていただいたり何かをしながら聞き流していただいたりする方がいいように思う。

そしてもうひとつ。2022年12月の博物館イベント、あいちトリコローレでアリゼイが初公開となったときの映像もあわせて博物館のYouTubeでご覧いただきたい。皆さんに気に入っていただけたのかどうかはまったく見当もつかないのだけど、いろいろ細かくチェックしてくださる方が多かったのは発案者として嬉しい限り。アリゼイのアイデアをチンクエチェント博物館に投げたときの塗り絵をベースにしたTシャツまで作っていただいちゃって、僕としては照れくさいかぎりだけど……。

チンクエチェントは、ただそのままで完成形だと僕は思ってる。けれど、自分の想いだとか心の中にある憧れめいた世界観だとかを織り込もうとしても、まったく嫌味も矛盾もなく飲み込んでくれるのだな、と感じてる。チンクエチェントってフトコロが広い。そういう意味でも物凄いクルマなんだな、と心から感じてる。

皆さんもチンクエチェント購入をもし考えてるのだとしたら、後付けでモディファイするのも悪くないとは思うけど、最初から自分の想い描いている何かを織り込んでもらうことも意識してみたらいいと思う。たぶんその方がより理想に近くなるし、おそらく最終的なコストは安上がるになるだろうし、理想に近くなればなるほど愛情も深くなるのでは? なんてことも思ったりする。

ちなみにアリゼイは、一応、博物館の販売車両ということになっていて、価格もしっかりつけられてはいる。でも……売れないだろうなぁ、さすがにここまで突拍子もない仕様だと……。もしかしたら未来永劫、博物館の保管車両になっちゃうかも。

■協力:チンクエチェント博物館
https://museo500.com

■「週刊チンクエチェント」連載記事一覧はこちら

>>>フィアット&アバルトの専門誌「FIAT & ABARTH fan-BOOK」のvol.08を読みたい人はこちら(外部サイト)

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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