バブル末期に生まれた夢の和製スーパーカー、NSX
旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらって今どきの若者目線の素直なインプレをお届けする企画。今回はホンダアクセスが維持・管理している1999年式のホンダ初代「NSX タイプS」に乗ってみました。
ホンダアクセスの20周年記念パーツを装着したタイプSに試乗
今年20歳になった若手女性レーシングドライバーの佐々木藍咲さん。富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年に4輪レースデビューし、2024年もKYOJO CUPにエントリー。開幕戦では自己最高位の5位でチェッカーを受けた。そして今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦予定で、来たる2024年7月13日(土)の富士スピードウェイがGR86/BRZ Cupデビュー戦だ。着々とレーシングドライバーとしてのキャリアを積んでいる。
レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。
そんな佐々木さんは根っからの旧車好き。KYOJO CUPでは、来場者向けイベントとして旧車の助手席試乗体験が行われているのだが、そこに参加している旧車たちを自身のスマホで撮影したり、空き時間があれば旧車オーナーに頼んでコッソリ(?)助手席試乗をしたりするほどだ。
そんな旧車好きの佐々木さんに、今回はホンダアクセスのパーツが取り付けられた1999年式の初代「NSX タイプS」に試乗してもらった。この車両には2011年にホンダアクセスがNSX誕生20周年を記念して、当時最新の技術で開発して販売したパーツが装着されている。
5段階の減衰調整式スポーツサスペンションや「実効空力」を意識したドライカーボン製のトランクスポイラーがそれにあたり、日常ユースからサーキットのスポーツ走行まで幅広い領域で高い性能を発揮することを目標として開発されたものだ。
一番刺さったのはモデューロのドライカーボン製リアウイング
旧車好きの佐々木さんのことだから、初代NSXのリトラクタブルヘッドライトに食いつくかと思いきや、スタイリングで大きく食いついたのはモデューロのトランクスポイラーであった。
「このウイングカッコイイですね! カーボンの折り目に惚れ惚れします。しっかり効きそうな形状も好きです。もちろんリトラも好きなポイントですよ。でもNSXのリトラって他のリトラ車と違って、開き方が薄目で独特ですね」
旧車であっても性能パーツに惹かれるあたりはレーシングドライバーの本能なのだろう。続いてドアを開けて室内へ。最初に驚かされたのは、タイプSならではのレカロ製の純正フルバケットシートだ。
「えっ! これ純正シートなんですか!? 純正でフルバケなんですね。でも座り心地も良くて乗り降りもしやすいです。あとインテリアの作りは高級車っぽい雰囲気ですね。タコメーターとスピードメーターが大きく配置されているデザインはスーパーカーって感じが強く伝わってきます!」
どちらかと言えばインテリアから、佐々木さんは「日本初のスーパースポーツ」を感じ取ったようだった。