ノースロップの全翼機N9MBは悲しい結末に…
ちょっと悲しい結末を迎えてしまったが、ステルス爆撃機「B-2」の開発にも貢献した、ノースロップの全翼機「N9MB」も見に行った。垂直尾翼どころか胴体もなく機体すべてが翼という実験機で、初飛行はまだ第二次世界大戦の真っ最中だった1942年。デザインから想像できるとおり操縦は難しく、また機械的な問題も色々と抱えていたようで、フライング・ウイングと呼ばれた計画は中止、N9MBも最後の1機を除き破棄されたという。
紆余曲折を経て1982年にプレーンズ・オブ・フェイムが入手し、1993年からエアショーなどを舞台にデモフライトが始まった。私が飛ぶ姿を撮影できたのは2017年11月4日のイベントで、機体そのものは格納庫で何度も撮影しているにもかかわらず、UFOを思わせる平べったいN9MBが大空を舞うシーンは圧巻。知らない人がこんなのを見たらUFOと勘違いしても不思議じゃなく、呆気に取られながらシャッターを切ったのを昨日のことのように思い出す。
もう一度どこかで撮影したかったN9MBだが2019年4月22日、プレーンズ・オブ・フェイムを離陸した直後に墜落し、機体は大破しパイロットも亡くなってしまう。
なおチノにはもうひとつの航空博物館「ヤンクス・エアミュージアム」があり、サンバーディから少し南に下れば「マーチフィールド・エアミュージアム」もある。どちらもルート66にほど近いロケーションなので、最後の寄り道スポットに次回で紹介してみたい。
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