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弾丸ヨーロッパ博物館ツアー!「天国」はトヨタ「2000GT」と70年代フェラーリF1…「地獄」は以前と代わり映えしない展示、その落差も旅の醍醐味!

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

大公の愛したクルマたちに感動しスイスの新しい博物館に感激

モナコではレーニエ大公の愛したクルマたちを収蔵展示している博物館、S.A.S.ビンテージカー・コレクション(Collection de Voitures Anciennes de S.A.S.)を訪ねて行きました。山々をトンネルで貫く高速道路からモナコの市街地に降り立つと、そこはもう別世界。憧れていた「モナコGPの舞台」に東洋からのエトランゼが降り立ったのです。

博物館は、モナコGPでトンネルを抜けたF1GPカーが、海沿いを駆けて最終コーナーの手前、折り返しとなるラスカス・コーナーの手前、海沿いのコースとホームストレートに挟まれたエリアにありました。エントランスから改札を抜けて順路に従って階段を降りると、そこにはフェラーリ「365GTB4」、いわゆるデイトナ・クーペとポルシェ「908」が並んで入館者を出迎えてくれました。

基本的にこのフロアは旧車でもロードカーが専門で、ロールス・ロイスやパッカード、キャデラックにドライエなどのビンテージカーと、ランボルギーニやフェラーリ、マセラティなどの「スーパーカー」、そしてDBやサンビーム、チシタリアなどのライトウェイトスポーツまで、レーニエ大公が愛したクルマたちが勢揃い。このラインアップを見るだけで大公のクルマに対する愛情が感じられ大満足。

フロアエンドの階段で地下1階から1階に戻ると、そこはもうF1GPマシンが集うGPワールド。現在はフェラーリに特化した企画展でも開催しているのか1950年のフェラーリ「125」から近年のモデルまでが大集合。とくに大好きだった1970年代の「312」シリーズに再会できて嬉しかった。フェラーリ・ファンなら一度ならずとも必見です。

モナコからはふたたびフランスを経てイタリアへと、高速道路で約340kmを一気に走り、ミラノで夕食をとり宿泊地のロカリタ・カルケラへ。コモ湖のほとりだと思いきやどんどんと湖から離れて山中に。スマホのGoogleマップからは「右方向です。その先3km道なりです」「左方向です。その先5km道なりです」と何度も何度も繰り返され、結局40kmほど山間に入ったホテルに到着。施設も翌日の朝食にも大満足して次の目的地、スイスはローマンスホルンの博物館、オートバウ・アドベンチャーワールド(autobau erlebniswelt)を目指します。

きっちり見ていくと1日がかりになるほどの展示車両

イタリアとスイスの国境であるスプルガ峠を越えてスイスに入ります。その先、つづら折りの峠道を下って行くのですが、今から40年前にオベ・アンダーソンがトヨタ「スターレット」のCMで走り話題になった「悪魔の梯子段」を思わせるようなワインディングで大いに楽しませてもらいました。もっとも観光客も少なくなかったので安楽運転で、シュコダ オクタヴィアの快適性も堪能できました。

途中、思っていた以上に時間を食ってしまいオートバウ・アドベンチャーワールドに到着したのは午後2時過ぎになりました。急いで撮影を始めたのですが、その収蔵展示車両の多さに驚きました。120台余りを撮り終えたところで館内の証明が落とされてタイムアウト。レーシングマシンからロードカーまで見応えのあるラインアップで、きっちり見ていくと1日がかりになりそうです。個人的には1970年代から1980年代の「マーチF2」やスポーツカーレース用のマーチが数多く展示されていたのがとても印象的でした。

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